2025.10.01

お子さまの自己効力感を高めたい。新卒入社し、教室長やプロジェクトリーダーとして活躍する社員へのインタビュー

LITALICOジュニア パーソナルコース教室長

tgm
高校生のときに参加した東日本大震災のボランティアがきっかけで、子どもたちの支援に関心を持った手嶋さん。2019年4月1日に新卒でLITALICOに入社し、指導員から教室長を経験。現在では入塾の数値分析やプロジェクトリーダーを務めています。入社の経緯ややりがい、これからの展望について話を聞きました。

「自分でできるぞ」という自己効力感を高めたい

ー LITALICOへ入社した経緯を教えてください。

子どもたちの「自分ならできそう」「これならできるかも」といった自己効力感を高めたいという思いから入社を決意しました。

この思いの原点は、アートセラピーとの出会いにあります。私が中学3年生のときに東日本大震災が起こりました。ただ、高校生になった頃にはテレビで放送されなくなっていき、「そこに生きている人たちは、どう住んでいるのか、何を見ているのかがわからない」と、ふと思ったんです。

冬休みに1人でバスに乗って現地に行き、ボランティアに参加しました。あるプレハブ小屋に行ったときに、そこにいる子どもたちが粘土で作った作品が並べてありました。黒い塊がどの作品にもあり、よく見ると「死体」と書いてあり、衝撃を受けました。

案内してくれた方は「子どもたちは言葉で表現できないときもあるけれども、こうして作品を通じて表現でき、外に出せるのは良いこと」とおっしゃっていました。

あとから調べたところ、それがアートセラピーだということを知りました。私自身も、言葉にできないことを絵で表現する経験があり、自然と重なるものを感じました。「気持ちを表現する方法を知っていることで、自分を守る力になるんだ」と気づいたとき、この方法を世の中にもっと広めていきたいという思いが芽生えました。そこから学びを続けていくうちに、「何があっても自分は大丈夫」と思える力を育てることが、私の広めていきたいことだと思うようになりました。

ー就活時には、他の業界は検討しましたか?

就活ではLITALICOか、TV制作会社、新聞社、ネットメディアなどのメディア系企業を検討していました。

就活を進める中で、私の主軸は、アートセラピーを広めたいという思いではなく、子どもたちが自分の可能性を信じ、自分の未来を選び取っていけるような力を育みたいという想いだとわかっていきました。メディアを通じて情報を届ける方法も考えましたが、実際にご家族や子どもたちが何を感じ、何を見て過ごしているのか、そのリアルな声を受け取り、応えていくことが重要なのではと思うようになりました。LITALICOのビジョンへの共感はとても大きく、事業の理念にも強く惹かれ入社を決意しました。

「手嶋先生のところで漢字を練習をしたい」

ー 入社後、印象に残っている支援はどんなケースでしたか?

入社当初は、自分がしっかりと授業ができるのかが不安でしたが、その気持ちが一転したエピソードがあります。

学習障害のある小学2年生のお子さまは、漢字が書けないことから、テストでなかなか点が取れず、「何をやってもできない」という思いが重なっている状況でした。入塾時には、学校自体がしんどい状況で自分を責める言葉が多くでていました。お父さまはお子さまの障害を受け入れ難い様子で、LITALICOに通うことにも反対しており、お母さまも「どうにかしなきゃ」という焦りと、「頑張れば書ける」といった思いの間でどうしたらいいかわからないご様子でした。

絵がとても上手なお子さまだったので、授業では絵と関連付けて漢字を覚えることを行いました。3ヶ月ほど経過したときに、お母さまが号泣しながら教室に入ってこられました。お子さまが行きの車の中で「勉強がちょっとできるようになった」「手嶋先生のところで漢字を練習をしたい」と話してくれたというのです。お母さまははじめて聞いた言葉だったとのことでした。

そこから、教室でもご家庭でも、勉強に取り組む姿勢がぐんと変わり、
最初は反対していたお父さまも、次第に応援してくださるようになりました。お子さま自身も、自分を責めることが減り、少しずつ「できるかも」「挑戦してみよう」という気持ちを持てるようになりました。卒業のときには私宛にお手紙をいただき、家で涙が止まりませんでした。誰かの未来に向かう力を少しでも後押しできたことが、私にとって大きな支えになっています。

ー特にどんな業務でモチベーションを感じますか?

ご家族との関わりの中で印象的なのは、体験授業での保護者さまとのご面談です。ご家族が最初に面談でいらっしゃるときには、漠然とした不安を抱えていらっしゃることが多いと感じます。そこから面談をしていくうちに、いまの状態とその理由が整理されて、何をしたらワクワクできる未来につながるのかが少しずつクリアになっていく瞬間があります。ご家族の「これならできそう」といった明るい表情がみえたときは、「少し力になれたかな」と感じられて、私自身もとても嬉しく、大切なモチベーションになっています。「はじめまして」の瞬間は、毎回とても緊張しますが!

また、私自身はデータを見たり、仕組みを整理したりすることは向いているなと感じています。だからこそ得意を生かして働ける場面に大きなモチベーションを感じます。担当エリア内の教室のデータを見て、データから客観的な課題抽出をし、「ここからやろう」と整理していく点は自分に合っていると思っています。そこを認めていただき、プロジェクトリーダー(プロマネ)を任せてもらえるようになりました。

「図書館」と呼ばれる、社内の情報ポータルサイトを立ち上げるプロジェクトでは、プロマネとしてチャレンジさせてもらいました。先生方が使いやすいことを最優先にデザインや設計にこだわり、チームメンバーといろんな角度から整理を重ねてリリースすることができました。実際に使ってもらいながらフィードバックを受け、改善を重ねるプロセスも意識して進めました。先生方から好評をいただき、他の事業部からも評価の声をいただけたことが、大きなやりがいに繋がりました。指導員・教室長としてお子さまやご家族と直接関わってきた経験が、「どんな情報が、どう届くと役に立つのか」という視点に自然と活かされていると感じています。教室の声やニーズを大切にしながら、スキルを活かしていくことが、これからも自分の強みになると実感できたプロジェクトでした。

ー 今後の展望を教えてください。

多くの人に自分のかかわった何かが「届いている」という感覚を持てると、嬉しく感じます。「図書館」のプロジェクトのように、自分の得意を活かしながら、多くのお子さまやご家族の未来のイメージがポジティブになるようなプロダクトに、プロマネとしてこれからも携わっていきたいです。教室での経験を通して、お子さまの成長記録や保護者さまのペアトレが見える化できると、さらに成長の実感を積み重ねられるのではないかと感じています。そんな仕組みづくりも、これから何かかたちにしていけると嬉しいです。

ただ、手段にはそこまでこだわりはありません。一番大事にしたいのは、
お子さまやご家族の自己効力感を高め、未来につながる支援ができることです。軸や目的は変わらず、届け方は自分の得意を活かしながら、柔軟に実践していきたいと考えています。

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