心理学の学びを活かしてはたらく社員のストーリー。「実践」と「知識」どちらにも強い児童指導員を目指したい。
心理学院卒の新卒指導員インタビュー
プロフィール
LITALICOジュニア指導員 野村さん
大学・大学院と心理学を専門に学びながら、学童保育でアルバイト。2021年新卒でLITALICOに入社し現在は横浜エリアのLITALICOジュニアの教室で指導員として活躍中。
「人とかかわる仕事」に漠然と興味があった学生時代。
ー子どもの頃は、新しい環境での人間関係構築が得意なタイプだったという野村さん。どんな子供時代を過ごされていたのでしょうか?
(以下、野村さん)「家が転勤族だったので、新しく出会う人との関係構築やコミュニケーションに慣れていた方ではあったかなと思います。こちらから積極的にいくというより他人の話を『傾聴』する派でしたね。受験期においては、明確にこの仕事がしたいからこの学部!という感じではなかったんですが、漠然と『人とかかわる仕事』がしたいという思いはあったので、大学の学部選択時に心理学の道を選びました。」
ー学部の選択として、心理学には臨床心理、社会心理の大きく2つの分野があるということで、野村さんが臨床心理の方を選んだきっかけについても聞いてみました。
「大学に入ってからはじめて『臨床心理学』の世界に出会ったのですが、私が事前にイメージしていたのよりも違う側面が見えました。元々私がイメージしていたのはフィールドワークなどを積極的におこなう「社会心理学」の側面だったので、臨床心理の分析したり、論文を読んだり、といった時間がすごく多い部分は驚きでしたが、同時にすごく面白味も感じました。
専門で研究していたのは主に親子関係をテーマとした内容でした。自分自身の幼少期に体験したことを客観的に捉え直すことができたり、現状LITALICOジュニアでの保護者さまとの対応や親子の関係について考えるときにも役立っているなと思います。」
発達心理学の道へ進んだきっかけは、 学童保育でのお子さまたちとの出会い。
ーそこからなぜ発達心理の領域に進むことになったのでしょうか?
「大学院の受験勉強中に、学童保育のアルバイトをする機会があったんです。当時ははっきりとはわからなかったのですが、後から思い返せば学習障害の疑いがある子や、コミュニケーションの苦手を抱えているような子もたくさん在籍していたんです。療育の利用には繋がっていなくとも、生活や学習面のサポートを必要としている子が結構いるなと。
」
ーそこで発達支援や療育に興味を持ち、元々は臨床心理の分野に進む予定だったところ、院での専門を発達心理に切り替えることにした野村さん。
大学院時代には、博士課程に進む友人が多い一方、教育学部が有名な大学で教員になる友人もいた環境だったそうです。自身の就職活動はどのように進めていたのでしょうか。
「あまり本格的な就活、というものはしなかったんです。最終的に受けたのもLITALICO1社だけでした。
周囲の人が療育機関でアルバイトをしていたり、学童保育のお子さんがLITALICOジュニアも併用利用していたりと、社名を聞く機会がとても多かったので『有名なところなのかな』くらいの印象は持っていました。そんな中で入社の数か月前に、LITALICOについて初めて調べてみた…という流れです。
実際にHPや情報を見たときに、『あ、私新卒でここに絶対行きたい!』と直感的に思いました。
第一印象としては、カラフルで明るい雰囲気、自由度の高い社風、という感じでした。ここまでレベルの高い支援が民間企業でできるんだという衝撃も大きかったですね。
個別の指導計画に沿って支援ができる点や、お子さまの成長過程がしっかり可視化されている点も共感できました。民間企業ということで、ビジネスとして利益性も意識しながらお仕事をする必要があるというところも、面接の中で裏表なく説明してもらえて好印象でした。」
保護者さまへの説明など 様々な瞬間に「心理の学びが活かせている!」と思います。
ーLITALICOジュニアでは、心理学を学んでから新卒で入社した社員が年々増えてきていますが、児童領域に進む人の割合は一般的に低く、自分のスキルが果たしてどれくらい求められているのか疑問に思う方も多いかもしれません。
児童指導員として、心理の専門性を活かせているな、と思う瞬間はどれくらいあるのでしょうか。
「すごく多いですよ。例えば、保護者さまとお子さまの授業内での様子についてフィードバックしながらお話する場合。心理学で得た学びをもとに、『こういう研究や事例もあるんですよ』と根拠を持ってお子さまの発達傾向についてお伝えできるからこそ、保護者さまにより強く納得してもらえることもあります。同じ心理学出身の同僚も同じように思ったことがあるそうです。
また、LITALICOジュニアでは一人ひとりのお子さまに応じた、個別支援計画を細かく作成しています。全教室の指導方針自体が応用行動分析学に基づいたものではあるのですが、私自身は作成時に自分で最新の児童分野の発達心理学の論文を読み参考にすることもあります。心理学の院出身なので、論文を読むことに対するハードルはあまり感じないんです。
例えば言葉の解釈が苦手なお子さまがいたとして、動画の利用がいいのか、直接声掛けで伝えるのがいいのか、絵で伝えるのがいいのか、など様々な手段を試した最新の研究結果を知ると、自信をもってこの支援にしよう、と選択・判断ができるんです。」
先輩社員に相談しやすい環境で 指導の困りを早い段階で解消。
ー 逆に、支援のなかで難しさを感じる点についても聞いてみました。
「お子さまとの授業中に咄嗟の対応に困ってしまったことはあります。でも、教室の中ではすぐに他の方に指導方針や声掛けの仕方など、細かいことを相談しやすい雰囲気があるのでそこがありがたいですね。
普段、元幼稚園教諭や社会福祉士資格のある方など、自分とは全くことなる資格・知識を持った方々に囲まれていて、現場での実戦経験を自分よりはるかに多く積んでいる方も多く学びの機会が多いですね。
また、お子さまへの指導と一緒で、スタッフへの育成体制自体がとてもしっかりしているなと感じることも多いです。最初はモニタリングから入り、次は先輩社員と一緒に陪席…など徐々に自分の責任範囲を増やしていくので、合間で挫折感などを感じず自分のペースで成長していけました。
あとは余談ですが、以前の療育の場で働いていたときは手書きでの業務が多かったので、入社してからパソコンの利用頻度が凄く高くて驚きました。今は先輩後輩関係なく、PCが得意な周囲の人に助けてもらったりなどして、まったく困りはないですし日々様々なことを学べています。慣もし私と同じようにパソコンに苦手意識がある方がいたら『何とかなるのでPC利用へのハードルは感じなくて大丈夫ですよ!』とお伝えしたいです!。」
ー先輩社員への相談から学ぶことも多いという野村さん。常に質の高いフィードバックを受けながらPDCAを回せていると感じるそうです。
最後に、これからやってみたいこと、目指していきたいことについても聞いてみました。
「心理学の分野で、「実践」と「知識」をどちらも併せて持っていると心理学出身の人間としてすごく強いんだろうなって思うんですね。現場って起きることが座学で得た知識と全然違う、なんてケースもあるので…どちらの方面もこの仕事をしながら伸ばしていきたいと考えていますし、LITALICOジュニアはそれができる環境だと感じます。
教室内での仕事でいえば、他の教室からレクチャーを受けて開始した『おでかけプログラム』というものを直近行いました。課外活動だとお子さまの普段とは違った様子が見られたりもするので、そういった新しい取り組みには積極的に参加していきたいです。
また、大学のOGとして先生に頼まれ、心理学卒の先輩としてキャリアについて話すことがあったのですが、発達支援の分野のことを伝えると、「そんな世界があるんですね!知らなかった!」という感想が多かったです。LITALICOがおこなっている指導や活動はどれも素晴らしいものだと思うので、もっと心理出身の方や世の中に広めていきたいなと思っているので、そういった情報発信や広報的な部分も興味が沸いています。」
―指導を考える際には最新の論文情報も取り入れるなど、心理出身の強みを活かしつつも、さらにその強みを実践と知識の観点から2つの軸でさらに成長を目指す野村さん。つねにお仕事に対して前向きでポジティブな印象がとても素敵でした。ありがとうございました。