新卒入社して12年。LITALICOワークスのセンター長、エリア部長、そして人材採用・育成のキャリアを歩む社員へインタビュー。
LITALICOワンダー HR

2013年新卒入社。LITALICOワークスの支援員として3年ほど従事した後、4年目でセンター長に。その後エリアマネージャー、東京・神奈川のエリア部長といった広範囲のマネジメント職に。2025年にはHR部門に参画。人材育成や採用に携わる。
社会課題解決ができる、チャレンジングな環境を求めて。
― 12年前に新卒として入社された小野田さん。どんな学生時代を過ごされていたのでしょうか?
大学では経済学部でしたが、高校時代に読んだ本から刺激を受けて「貧困をビジネスで解決する」という視点に触れたことをきっかけに、社会課題をビジネスで解決すること、そして仕事を通じてよりよい社会をつくる、という部分に関心を持つようになりました。
また、中学時代は吹奏楽部だったのですが、周りと比較されたり厳しく指摘を受ける環境下にあり、自己肯定感を失ってしまった経験がありました。一方で、高校で同じ部活ではあったものの全く違う環境になったときに「あなたがいてくれてよかった!」と周りから褒めてもらうことがあり、自分に自信が持てるようになりました。
自分自身が変わったわけではないのに、環境次第で自分の評価や扱いが変わるということを身をもって経験しました。「誰もが自分に合う環境を選べたり、その中で自分らしさを発揮しながら生きていける社会が作れたらいいな」という想いが、今の支援や仕事の土台になっていると思います。
ー 就職活動では、どんな軸でお仕事を探していたんですか?
就職活動では、特定の業界に絞らず、幅広く企業を見ていました。軸としていたのは、「ビジョンに共感ができるか」「信念を持って働いている人がたくさんいるか」「前向きなチャレンジができそうか」ということです。大手企業の説明会にも行きましたが、強い意志をもって働いている人がそこまで多くないのかもしれないと感じたこともあり、結果的にベンチャー企業を多く見るようになりました。その中で、まだ福祉業界のベンチャー的な存在だったLITALICO(当時はWINGLE)と出会いました。
― 入社はどのようにして決断されたのですか?
当時の面談や説明会では、「障害福祉」という限定的な領域の話というより、社会全体を変えるための一つの手段としてこの事業がある、という説明を受けました。そのメッセージに、「何をするかはまだわからないけれど、無限に広がりそう、面白そう」と感じ、強く惹かれました。
また、選考や内定者合宿を通して、特に強く感じたのは「社会を変える」ということに対する周囲の熱量のすごさです。内定者合宿で「50年後の自分を考える」というワークがあったのですが、いろんなバックグラウンドを持つ人たちが、本気で未来について議論している様子を見て、「こんな素敵な仲間と一緒なら、自分自身も成長しながらいい社会を作っていけそう!」と感じて入社を決めました。
正論ではない、本人の選択に伴走する大切さ
― 新卒の最初のころにLITALICOワークスを選ばれたのは、なぜでしょうか?
入社当時はまだ学生だったこともあり、、教育等の分野をいずれ目指すとしても、まずは自分自身が社会について学ぶべきと考え、企業とも多くかかわる就労支援のLITALICOワークスを希望しました。
最初の3年間はワークスのセンター配属となり、支援員として経験を積みました。社会人経験がないまま就労の支援をするということへの不安もありましたが、利用者の方の「これから新しい環境にチャレンジする不安」という気持ちと、社会人1年目の自分の今の気持ちは類似するところがあるはず。「何かを教える、伝える」仕事ではなく、「本人と伴走していく」仕事だという感覚で、共感しながら応援し、一緒に成長していくスタンスを大切にしていました。
― 支援員として、特に印象深いケースがあれば教えてください。
新卒2〜3年目に担当した、男性利用者さまのケースが、私にとっての支援の原点になっています。彼は、学生時代からずっと引きこもりの状態で、人見知りの傾向も強く、ご家族の付き添いがないとセンターに入ることすら難しい状況でした。
当初、どのような仕事をしたいか尋ねたところ、「アニメーターになりたい」と。社会に馴染めずにいた彼にとって、自分の絵を褒めてくれたおばあさまの存在が心の支えであり、自分の好きなことを仕事に活かしたいという強い希望でした。最初は、正直難しいかな…と感じてしまったのですが、彼の覚悟と希望を信じ、あきらめずに一緒にできることをやってみることにしたんです。
― 当時、その方に対してどんな支援をされたんでしょうか。
本人と一緒に自宅から通える範囲のアニメ制作事務所をリストアップし、上から順に電話をかけました。アポイントメントが取れた事務所には一緒に見学に行き、本人の希望や熱意を伝えたところ、とある事務所の所長から「うちで一度やってみる?」とお声がけいただき、実習を経験させてもらえることになりました。その結果、彼はその事務所で、アニメーターとして働き始めることになったんです。
この経験から「こうすべき」「一般的には難しい」という正論を伝えるのではなく、本人の「こう生きたい」という覚悟に、どう応えられるか、そして、支援において「本人が選択する」機会を一緒につくることが大切だと感じました。
「周囲を変えたいなら、自分が変わろう。」
― 現場経験を積まれた後、センター長、そしてエリアマネージャーへとステップアップを続けられている小野田さん。挑戦し続けようと思える原動力は何でしょうか?
大きな理由の一つは、「知らないことを知りたい、できるようになりたい」という自分自身の成長意欲が大きいと思います。また、もう1点として、この会社には「素敵だな」「こういうリーダーになりたいな」と思える人が多かったことも大きな理由です。
新卒入社4年目でセンター長になった時は不安はありましたが、困ったり悩んだりしたときに相談に乗ってくれる人が非常に多い環境でした。内省に付き合ってくれたり、チームワークや人への育成マインドが根付いているLITALICOの文化があったからこそ、新しい職務にも安心して飛び込むことができました。
ー 周囲からのフィードバックで印象に残っている言葉などはありますか。
新卒入社した頃は、「周囲を変えるにはまず自分が変わることが大事」と言われたこともあります。当時は「わかってもらえない!」という不満が環境に向いていたこともあったのですが、この言葉で「誰かに動いてほしいことがあるなら、自分の進め方を変えること」「どう伝えたらわかってもらえるのか、発信するタイミングや内容を考えよう」という、自発的な働きかけの重要性を学びました。
また、初めてリーダーになった時には、「周囲にどう思われているかな…と不安がるより、自分が誰に何をしてあげたいかを考えたら?」という言葉をかけられたことがあります。相手の反応ばかりを考えるのではなく、自分の行動の軸を相手への貢献に定めることの重要性を教わりました。
ーマネジメントをする中で大切にしていたことはありますか?
立場が変わるにつれ、求められるものも変わっていくので、都度自分がどうあるべきかを考え続けてきたと思います。例えば、センター長時代は現場のリーダーとして判断のスピードを大事にしたり、自分が直接サポートに介入することも大事にしていましたが、エリアマネージャーになると広範囲のマネジメントになるため、現場で起きている事象に対して、自分がどう捉え、誰からの報告に、どう対応するのか、という思考の質を重視するようになったと思います。
また、いいチームを作るうえで「愛」が大事といわれたことがあります。すごく抽象的なことではありますが、チームのみんなへの好意や感謝の気持ちはなるべく言葉にして伝えるように心がけています。
より多くの地域の方に、支援を安定的に届けられるように。
― ワークス事業での経験を経て、HRや採用(人材開発)の領域にも新たに参画しておられますね。
2025年からはHRに異動し、採用と育成に関わっていくことになりました。ワークスのサービスの質は人材力の高さにあると感じているため、そこに関わっていくことの責任とやりがいを感じています。
HRでのミッションはLITALICOらしいリーダーをより多く輩出すること、そしてスタッフひとりひとりが成長活躍できる環境を作ることだと考えています。特に、事業拡大に向けて、LITALICOらしいリーダーシップが発揮できるようになることは最重要課題ととらえていて、役職者向けの成長機会は今後もより進化させていきたいと考えています。
また、これまで研修型の育成機会は丁寧に作り上げられてきていると思うので、今後は実践に対するフィードバックの機会や、実際にスタッフが他センターなどに足を運んで肌で感じて学び合うといった機会も作っていきたいと考えています。ワークスには本当に素敵なスタッフがたくさんいるので、相互にロールモデルとなる人を見つけられたり、仲間に誇りが持てる環境も作っていきたいですね。
HRに異動して間もないころに「採用は社会の教育機関になりうる」と言われたことがあります。福祉という業界に接点がなかった方が、この業界の面白みを知る機会になったり、LITALICOの入社には至らなかった方としても、私たちのビジョンや社会に対する考え方を知ってもらうことでよりよい社会変革につながることもあると思っています。採用活動を通して、新たに福祉業界にチャレンジする人が増えたり、LITALICOでのキャリアがその人らしい人生につながるような人を増やしていきたいと思います。
社員の成長機会を最大化できる環境づくりに貢献し、全国各地でよい支援を届けていけるようになることが、私の今後の新たなチャレンジであり、LITALICOが目指す社会への最も重要な一歩だと感じています。
― 長年、事業の変遷を見てこられた立場から、LITALICOワークス事業の現在地とビジョンへの想いをお聞かせください。
LITALICOは「就労移行支援をやりたくてスタートした」のではなく、「よりよい社会をつくるための手段としてこの事業を選んだ」という会社です。
LITALICOの支援が必要な方々にしっかりと届けば、「その人らしい人生」を歩める人が増えていくはずと信じています。一方で、まだ支援の手が届いていない地域も多くあるため、どこに住んでいてもLITALICOのサービスが受けられる環境を作っていきたいと考えています。
また、サービスの内容や質において、これまでも多様なニーズにこたえていくための土台は整えてきてはいますが、まだまだ伸びしろがあると感じています。利用いただく方の中にある「こんな仕事をしてみたい」「こんな人生を歩んでみたい」という意思や希望をしっかりと引き出しつつ、サービスを通じて必要な人生の選択肢が提供できるよう支援の内容もさらに進化させていきたいです。
そのために必要な力を、一人ひとりの社員がしっかりと身につけられるように組織としての強い採用力と育成環境を培っていく必要があると思っているので、今後はそこに注力しながら引き続き頑張っていきたいと思います!


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