人を「型にはめない」からこそ自分らしく活躍できる場所。安心と信頼の先にある就労支援とは?
LITALICOワークス 就労支援員インタビュー

あたたかさと、冷静さを兼ね備えた支援員を目指して
プロフィール
下峠さん
2020年5月にLITALICOに入社。前職までは宝石関係の接客・営業の経験を経て、エリアマネージャーとして管理職としても従事。その後、ご自身も就労移行支援のサービスを受けた経験を経て、LITALICOワークスの就労支援員(ジョブコーチ)として入社。現在は主に就職活動の準備ステージを担当。
以前は宝飾関係の業界にいた下峠さん。大病を患い、当時の仕事への復職が難しい状況になってしまったとのこと。そこで主治医からの助言をきっかけに就労移行支援のサービスと出会いました。
ー 当初、就労移行支援に対してどんな印象をお持ちでしたか?
正直、通所する前は仕事に就くために訓練をさせられる場所…といったネガティブなイメージしかありませんでした。でも、当時のスタッフの方々は入口の時点からすごく安心感があって。担当してくれた方が常に明るく接してくれたのが印象的でした。病気によって落ち込んでいた心も解れ、家族からも「前より笑うようになった」と言われるようになったほどです。
ー 支援員として働きたいと思ったのはなぜだったのでしょうか?
例えば、他の利用者さんで、感情のコントロールが苦手で相手を選ばず強い怒りをぶつけてしまう方を見かけることがありました。そんな時、ご本人、そして、周りで影響を受けてしまった別の方に対しても、当時の支援員たちが瞬時に必要な行動を判断し、的確に動いている姿を見てあたたかさと冷静さを兼ね備えた、バランス感覚のある対人支援のスキルが素晴らしいなと感じました。
就労支援の現場は、様々な困難を抱える利用者さんが通所されていますし、日々様々なイレギュラーも起こります。当時の自分からみて「きっと大変なんだろうな」と思う一方、それを表では全く感じさせず、目の前の利用者さん一人ひとりに対して真摯に向き合う皆さんの姿が、とてもキラキラ輝いて見え、自分もそういった支援者を目指したいと考えるようになりました。
時短からスタート、徐々にフルタイムへ
ー ご自身に合った働き方はどのように相談を進めていったのでしょうか?
体調面やパートナーからの意見もあって、最初からフルタイム勤務は難しいと考えていました。そのため最初は時短勤務からスタートし、障害名や通院の必要性も伝えた上で、新しい働き方を上長と模索していく形でした。
入社前は、体調面でどこか無理が生じないか…という不安も大きかったのですが、実際は月1〜2回の面談を通して、体調に合わせた無理のない働き方を常に相談を続けられたため、結果予定よりも早くフルタイムで働けることになりました。「また働くことができるのか」とすら考えていた頃を考えると、この職場に出会えて本当に良かったなと感じています。
相手の心情を常に意識して、臨機応変な対応を
前職では、店舗での商品販売、営業・接客そしてエリアマネージャーとして管理職のご経験もあったとのこと。現在の支援員の仕事にいかせている部分についてもきいてみました。
ー ワークスでのお仕事の中で、これまでの経験がいきている部分はありますか?
接客をしていた時には、訪れたお客さまの意図をその場で汲み取り、警戒心を解きながらも信頼関係を築く「傾聴」を何よりも大切にしてきました。
当時の経験は、現在の仕事にも通じる部分が非常に多いと感じています。今、利用者さんが最初にセンターに訪れたときのインテーク(現在の状況や症状などをヒアリングすること)を主に担当しているのですが、限られた時間で信頼関係を築くことや、相手の得意・苦手を見極める力などは、現在の面談でもいかされていると感じます。
ー 現在は育成担当も任されているとのこと、どのような対応を大切にされていますか?
前職で管理職として育成や採用に携わっていた時にも、スタッフ一人ひとりの人間関係や性格などは特に気にかけていて、配置転換や異動の際は、それぞれの心象や状況を踏まえたうえで対応することを心がけていました。
現在ワークスで5年目になり、センターでの育成担当として新入社員への業務レクチャーやサポートを担当していますが、相手を「型にはめない」というのは常に意識していますね。「ご本人のやりやすい方法を見つけて、学びを深めていただく」ことを重視しています。ある一つの道筋に沿った対応だけを覚えても、後からイレギュラーが起きたときに都度大変になってしまうと思うためです。
利用者さんへの支援においても、同じことがいえると下峠さんは語ります。過去の事例や前例が役に立つことはあっても、同じ障害や病気の方だからといって、同じパターンで行動される方は誰一人としていません。家庭環境やこれまでの経験によってまったく求められる支援が異なるため、今現在の体調や状態に合わせた対応を都度心がけることを大切にされているそうです。
「安心」と「信頼」の先で行う、スモールステップの支援
LITALICOワークスでの就労支援には、①準備ステージ、②実習ステージ、③就活ステージ、④企業での定着支援といった4つの段階があります。下峠さんは、特に準備ステージでの仕事にやりがいを感じているそうです。
ー お仕事の内容や、やりがいについても教えてください。
4つのステージをそれぞれ担当したことがありますが、自分の意思もあり、現在は準備ステージを主軸として担当しています。通所開始時の初回のヒアリングや、仕事に向けたスキルアップにつながる対応等を行うのですが、利用者さんにとっては最初の入り口の時点でまずは安心できる場所であると感じてもらうことがスタートラインだと思っています。その先で信頼関係が築ければ、私たちと一緒に前に進んでいく心構えができるのではないかと考えているからです。
多様な人の活躍が、社会を変えていく。
LITALICOの最大の魅力は、社員の多様性をいかしながら「障害のない社会をつくる」というビジョンを実現する姿勢だと話す下峠さん。ご自身も、周囲に対して自分を取り繕う必要がなく、ありのままでいられる環境だと語ります。
ー 今の職場環境への想いや、将来のチャレンジについても教えてください。
利用者さんへも、社員へも「ここは隠さなきゃ」、「こうじゃなきゃ」といったような感じで人を型にはめようとする雰囲気が全くないんです。常に自然体でいられるのはLITALICOで働く大きな魅力のひとつだと思います。社員にとってはパートナーシップ制度などもあり、様々な人が働きやすい制度が整っている点も素晴らしいと思います。
今後の目標としては、支援員としてさらに支援の専門性を高め、どのセンターへ行っても高いクオリティで対応ができるような人になりたいと考えています。一方で新卒で1年未満からセンター長を目指せるような人材も見かけますし、入社したら必ずこういうキャリアを歩まないといけない、という決まりもありません。自分自身が高めたいスキルや成長のビジョンがあれば、それに向かっていける環境ではないでしょうか。
LITALICOへの入社を考えている方へは、「悩んだら一度やってみてほしい」と伝えたいです。年齢や経験にかかわらず、多様な人が成長でき、活躍できる環境がここにはあると思います。