2025.11.05

通所支援から、毎日の暮らしの支援へ。児童福祉分野からLITALICOレジデンスへ異動したスタッフのチャレンジ。

LITALICOレジデンス 支援スタッフインタビュー

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2025年に新規事業としてスタートした重度障害者向けグループホーム「LITALICOレジデンス」。理学療法士の資格を持つ生出(おいで)さんは、LITALICOジュニア(以下、ジュニア)から社内異動をして立ち上げ段階からかかわっています。児童指導員として活躍していた生出さんが、なぜ新たな挑戦の場としてレジデンスを選び、どのように毎日の暮らしの支援をおこなっているのでしょうか。これまでのキャリアや、新規事業でのリアルな日々についてもざっくばらんに伺いました。

第二新卒から、PTとして児童指導員の仕事に

プロフィール
生出(おいで)さん:テレビ業界にて1年勤務し、第二新卒でLITALICOに転職。LITALICOジュニアでは学生時代に取得した理学療法士の資格をいかして支援に従事。現在は2025年からスタートした新規事業であるグループホーム、LITALICOレジデンスにて支援スタッフとして勤務。


—これまでのキャリアについて教えてください。

もともと、高校時代にスポーツトレーナーの仕事に興味があり、理学療法士(PT)取得を目指して学校に通っていたんです。一方、新卒としてはすぐに資格を活かせる道には進まず、テレビ業界で約1年間働きました。昔からテレビが大好きという理由から選んだ道で、とても充実した日々でしたが、仕事以外の日常生活にも充実感を持てるように時間を確保したいと考えて転職を決めました。

— LITALICOはどのようにして見つけたのでしょうか?

「理学療法士の資格をいかせる」「お子さまと関わること」を軸に仕事を探していて、ジュニアの児童支援員の仕事に出会いました。お子さま一人ひとりの言動の背景にどんなことがあるのかを探りながら、集客担当や育成担当(チューター)としても経験をつみ、現場での支援に加えて運営にかかわる部分の両面を経験することができました。

—LITALICOの理念や文化について、どのように感じていますか?

LITALICOの社名は「利他」と「利己」からきています。人のために頑張ることが自分の幸せに繋がる、という話を以前友人から聞いたことがあり、自分の価値観と一致すると感じました。ジュニアの面接を受けたときも、自分の話したことが自然と会社の大切にしている方向性と重なっていたのでご縁があったのかなと感じています。

入社以来感じているのは、全体に明るい雰囲気が強く、チームで頑張ろう!という文化があるなということです。レジデンス事業へ異動するときも、不安は全くなかったですね。
ジュニアにいた頃に総会や事業部の総会などにも参加してきた中で、会社全体が同じ共通認識を持っているなと感じることも多かったので、たとえ事業が異なっても「LITALICOはLITALICO」という安心感があったのだと思います。

事業立ち上げの「想定外」をチームで乗り越える

— LITALICOレジデンスの立ち上げフェーズから参画している生出さん。異動に興味を持ったのはなぜだったのでしょうか?

レジデンスへの異動に興味をもったのは、新規事業が立ち上がる前の社内での説明会で「リハビリテーションの観点を入れていく」という話があったことがきっかけでした。
ジュニアでは発達の気になるお子さまが中心に通所していましたが、レジデンスでは車いすなどを利用される重度の身体障害のある方の受け入れも検討していると伺いました。
そこで、「理学療法の視点をいかして、新たな事業立ち上げに携わり支援の質を高めていく仕事にチャレンジしてみたい」と思ったんです。立ち上げ前はジュニアとの兼務で、開設に向けた実習がメインでした。開所してサービスが始まってからは、日中支援のプログラム作りや、OJTを実施し新しい職員の育成にもかかわっています。

ー 開所前後の想定外のギャップなどはありましたか?

プログラムとしてどんな支援を日中に届けるか、という部分を事前に考えてはいましたが、現実はイメージ通りにならないことも多くありました。開設当初の3か月ほどは職員の人数が少なく、夜勤しかできないという時期もあり、業務をこなすのに必死になっていたところもありました。

都内の多くのグループホームが夕方・夜間の支援のみに限っている中で、入浴や食事などの暮らしの支援をしながら、日中にも質の高い支援を届けるということがどれほど大変なことか、改めて実感したというのが正直なところです。直近では、日中の活動をスタッフ担当制とすることで、徐々に実施できるようになってきました。


「通う場所」から「住む場所」へ。支援の幅の広がり

— グループホームという「住まいの場」での支援に携わり、新たな気づきはありましたか?

ジュニアは、教室に通所してくださるお子さまに対して支援をおこなうため、家や学校・園で過ごす間の出来事に関しては保護者さまやご本人からお話を聞くことも多いです。一方、レジデンスは「住む場所」であり、スタッフ自身が長期で利用者さんとかかわることになります。

長い時間利用者さんと関わる中で、以前は家での具体的な「困り」としてご家族からお話だけ聞いていたことが、リアルに見えてきました。たとえば、「食事の時に落ち着きがなくて、ジュニアと家では違うんです…」といった保護者さまのご意見もあったのですが、今まで見えていなかった「暮らしのなかでの困り」がリアルに体感して理解できるようになりました。

また、ここには様々な理由でご入居を決断されたご家族がいらっしゃいますが、生活の場での支援は、長いスパンで全体を見る必要があります。その方にとっての生きやすさ・暮らしやすさに繋げていくために、たとえ小さな変化であっても常に見逃さないように気をつけています。毎日、長い時間利用者さんにかかわる仕事だからこその支援の特徴や難しさについても実感しています。

— ご自身のこれまでの強みをどんなふうにいかしたいと考えていますか?

新規事業ということもあり、チームの中にはジュニアのように支援の共通言語を持ったメンバーだけではなく、医療、高齢者介護や、まったくの未経験の方など、様々なバックグラウンドの方も多く、施設開所からまだ1年経っていない状況です。つまり、全く文化も考え方も異なる場で、それぞれが積んできたキャリアの方が長い環境なんですよね。その中で、私自身がLITALICOの中で学んできた支援経験を現場でどう広げ、浸透させていけるかが大切だと感じています。

例えば、育成担当としての経験をいかして、「育成者としてどういう風にスタッフにフィードバックをしたらいいか」を常に考え、OJTで実践しています。障害のある方の「行動の背景」を理解し、マイナスな点ばかりに着目することなく、プラスなところやその人の強みを活かして、スキル獲得に向けて動いていくという支援観をレジデンスの中でもしっかりと定着させていきたいなと思っています。

—今後、仕事をする上で大切にしていきたいことや、チャレンジしたいことを教えてください。

ここは利用者さまの生活、そして人生を預かる場です。だからこそ、全員が毎日に充実感を持って生活できる環境づくりと同時に、私たち支援員が働きやすい環境で働き続けることができる現場にすることも、利用者さまの幸せにとっても大事だと考えているので、そういった職場環境や組織作りにも携わっていきたいです。

そして今後も、利用者さん一人ひとりの「好きなこと」「楽しいなと思えること」を強みにつなげていく、LITALICOらしい支援のあり方をもっと実現できるよう頑張っていきたいです。
チームの皆と密にコミュニケーションをとりながら「一から作り上げる」過程もすごくやりがいがあります。変化の多い環境を楽しめる方や、チームで事業を作っていきたい!という方は、ぜひ一緒にチャレンジしてほしいと思います!

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