2026.01.13

イベントレポート:なぜコンサルからLITALICOへ?正解のない問いに挑み続けるプロダクトマネージャーのキャリア観

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本記事では、2027卒の学生向けに開催したLITALICOトークイベントの内容をレポートとしてお届けします。(開催日: 2025年11月28日) 就職活動において「自分が本当にやりたいことは何か?」「長く働き続けられる環境とは?」と悩んでいる方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。 自分に合う会社をどう選ぶべきか、そして入社後に「活躍できる人材」になるためには何が必要なのかなど、難しい問いは数多くあります。 多くの学生が抱えるこの問いに対し、LITALICOのプラットフォーム事業部でプロダクトマネージャー(PdM)を務める寺下が、自身のキャリアの変遷と、仕事選びの「軸」について語りました。

登壇者紹介

株式会社LITALICO キャリア部 プロダクトマネージャー 寺下

大学時代は経済学部で金融論・ミクロ経済学を専攻。新卒で戦略系コンサルティング会社に入社し、金融機関向けのコンサルティングに従事。その後、事業会社でのプロジェクトマネジメント経験を経て、LITALICOへ入社。 学校教育向けSaaSの新規事業立ち上げに携わった後、現在は障害福祉特化の転職支援サービス「LITALICOキャリア(https://litalico-c.jp/、以下「キャリア」)」のプロダクトマネージャーとして、サービスの戦略立案から開発ディレクションまでを担う。

「誰かのためになっているか?」コンサル時代に感じた違和感

寺下がファーストキャリアとして選んだのは、戦略系のコンサルティング会社でした。
世間的には人気な業界でのキャリアのスタートに見えますが、彼女の中には入社当初からある想いがあったといいます。

「父がグループホーム(障害のある方が共同生活を送る施設)の運営をしていたこともあり、昔から『福祉』という領域には漠然とした興味がありました。ただ、大学での専攻として経済を学びましたので、まずはビジネススキルを身につけるため、コンサル会社に入りました。」




クライアント企業の課題解決を支援するコンサルティング業務は、間違いなく重要な仕事です。しかし、寺下はそこで自身の介在価値に対する葛藤を抱くようになります。

「働いていくなかで徐々に『自分は何のために仕事をしているんだろう?』という疑問が大きくなっていったんです。極端な話ですが、コンサルタントである私がそこにいなくても、優秀な事業会社の方々は自分たちで事業を回していけるのではないか、と思ってしまったんです。だとしたら、自分も誰かにアドバイスをするのではなく、自らの手で社会に何かを届けたい。もっと『手触り感』のある仕事がしたい。そう強く思うようになりました」

人・業務内容・社会的意義。LITALICOへの入社を決意した理由

その後、事業会社へ転職して働き、3社目としてLITALICOを選んだ寺下。数ある企業の中で、なぜLITALICOだったのでしょうか。彼女が挙げた決定打は、「人」と「業務内容」そして「社会的意義」でした。



「私は、会社選びにおいて『誰と働くか』『仲間が魅力的かどうか』を最も重視しています。LITALICOへ入社するときも、上長にあたる人と話す機会を作ってもらったり、色々な部署・年次の社員に会わせてもらったりしました」
入社後のミスマッチを防ぐため、選考段階で現場の社員や上司となる人と話す機会を積極的に作り、「社内でどのようなコミュニケーションが行われているか」「自分と波長の合う人がいるか」を肌で感じることを大切にしてきたといいます。

2つ目の軸は、「楽しい」と思える仕事かどうかです。寺下は、自身の仕事における楽しさを、「議論を通じて、一人では辿り着けない答えを見つけること」だと語ります。単に指示されたことを実行するのではなく、自ら考え、周囲と意見を戦わせながら最適解を探求できる職種・環境であることを重視して会社を選んでいました。

「入社前にLITALICOの社員と話した時、とにかくこの会社の人たちは『議論』が好きだと感じました。私は、誰かに言われたことをただ実行するのは苦手なんです(笑)。でも、議論を重ねて、一人では辿り着けない答えを見つけるプロセスは大好き。LITALICOには、役職や年次に関係なくフラットに意見を交わせる文化があったので、自分に合っているのではないかと感じました。」

そして3つ目の軸が「仕事の意義」です。どんなに好きな仕事であっても、長く続けていれば必ず苦しい局面は訪れます。その時に自分を支えるものがあれば、苦境にも向き合うことができます。

「仕事である以上、楽しいことばかりではありません。むしろ、辛い時間の方が多いかもしれない。そうなった時に『踏ん張れる理由』が必要です。私にとってそれは、『この仕事が誰かのためになっている』『社会的な意味がある』と心から信じられることでした。これは、前の環境でそこが揺らいでしまう経験をしたことで気づくことができました。だからこそ、次は自分が心から意義を感じられる領域で、当事者として事業を作りたいと思ったんです」

自分の仕事がビジョンに直結している実感。そして、それを熱く語り合える仲間。踏ん張れる理由(社会的意義のある仕事)。この3つの軸が揃った環境こそが、LITALICOであり、寺下が自分らしく活躍し続けられている理由なのです。

正解のない問いに挑む。プロダクトマネージャーとしての成長

現在、寺下は「LITALICOキャリア」という、障害福祉領域に特化した転職支援サービスのプロダクトマネージャー(PdM)を務めています。このサービスは、人手不足に悩む福祉事業所と、福祉業界で働きたい求職者をマッチングさせるプラットフォームです。



PdMの仕事は、サービスの戦略策定から要件定義、開発ディレクション、リリース後の改善まで多岐にわたります。業務の特徴として、エンジニア・デザイナー・セールス・マーケティング・法務など、関わる職種も非常に多いです。そして、立場によって「見えている課題」が異なるため、全体像を把握しながら、課題解決に取り組むことが求められます。





◆出所:Recruit Product Design Blog「プロダクトマネージャー(PdM)の役割とは?PMとの違いや必要なスキルを解説」(https://blog.recruit-productdesign.jp/n/n86df65f1b2f8

「ある円柱の物体があったとします。それを横から見ている人は『四角形だ』と言い、上から見ている人は『円だ』と言います。どちらも正しいけれど、全体像ではありません。仕事でも同じことが起きるんです。営業は『顧客の数が足りない』と言い、エンジニアは『システムの安定性が重要だ』と言う。それぞれの視点から見える正しさを尊重しつつ、『いま私たちが解決すべき課題はこれだよね』という共通認識(全体像)を描いて合意形成を進めていくことがPdMには求められます。この調整力は、LITALICOに入って最も鍛えられたスキルです」



――プロダクトマネージャーの一日


寺下の一日の流れを見てみましょう。スケジュールからも「調整」と「対話」に向き合っていることがわかります。



朝はエンジニアチームとの朝会、午後は法務確認や事業部との戦略会議と、次々と異なる職種や立場の人々と対話を重ねています。 そして、最後は会議を経て得られた情報をもとに、開発施策の検討を進めていきます。多様なメンバーと関わりながら、「全体最適の中で何をすべきか」を考えることがPdMという仕事の醍醐味だと語りました。

――データの向こう側にある「なぜ?」を問う


LITALICOに入社してから、PdMとしてスキル面だけでなく、マインド面でも大きな変化がありました。表面的なデータや意見を鵜呑みにせず、その背景にある「なぜ?」を徹底的に掘り下げる姿勢です。

「単に『ユーザーがこう言っています』『データがこうなっています』と整理するだけでは、人は動きませんし、本質的な課題解決にもなりません。『なぜユーザーはそこで困っているのか?』『なぜその数値が出ているのか?』を明らかにするために現場のリアルな声を聞くことも重要だと考えています。LITALICOは自社で直接支援(教室運営)も行っているため、現場の一次情報にアクセスしやすいのが強みです。泥臭く納得感のある解を見つけに行く姿勢は、この環境だからこそ身についたと思います」

業界全体の生産性を変える。プロダクトマネージャーとしての今後の展望

寺下は、今後のキャリアにおける展望として、福祉業界全体の生産性を上げていきたいとを語りました。

「福祉業界で働く人たちの給与水準をもっと上げたいんです。父が福祉の現場で働いている姿を見てきましたが、専門性が高く、社会にとって不可欠な仕事であるにもかかわらず、処遇が十分とは言えない現状があります。それはやっぱり『あるべきではない』と思うんです。LITALICOキャリアという事業を通じて、マッチングの質を高め、業界全体の生産性を上げることで、最終的には支援者の方々が正当な対価を得られる社会構造を作りたい。それが私の、今の最大の目標です」

かつて自分の仕事の意味に悩み、コンサルティング会社を飛び出した彼女は今、幼い頃からの想いを形にするための「武器」を手に、最前線で仕事に取り組んでいます。

参加した学生へのメッセージ

イベントの締めくくりでは、これから社会に出る学生たちへメッセージが送られました。



「みなさんには、ぜひ『楽しい』と思える仕事を見つけてほしいと思います。これからの人生、仕事をしている時間は本当に長いです。だからこそ、周りの評価や世間体ではなく、自分が何をしている時にワクワクするのか、何になら情熱を注げるのかを大切にしてください。たくさん悩んで、迷って、自分なりの『楽しさ』の軸を見つけていただければ嬉しいです」

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