2026.02.23

イベントレポート:「家族と社会の境界線をゆるやかにしたい」。社会の構造を変えて、ポジティブな変化を起こすために発達ナビでできること。

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本記事では、2027卒の学生向けに開催したLITALICOトークイベントの内容をレポートとしてお届けします。(開催日: 2025年11月19日) 登壇したのは、入社4年目で「LITALICO発達ナビ」の事業企画を務める白川。学生時代から抱き続けた「原体験」を胸に、なぜLITALICOを選び、どのようにビジネススキルを磨いてきたのか。 白川がLITALICOを選んだ「就活の軸」から、入社4年で培った「キャリアの中で成長したこと」について語りました。

登壇者紹介

株式会社LITALICO 事業開発部 アシスタントマネージャー 白川

上智大学総合人間科学部社会福祉学科卒業。在学中は通信制高校でのスタッフ業務や、ベビーシッター、「農業系インターン」「地方放浪など多様な経験を積む。2022年新卒入社。LITALICO発達ナビ(https://h-navi.jp/、以下「発達ナビ」)のコンテンツマーケティングを担当後、LITALICO仕事ナビ(https://snabi.jp/、以下「仕事ナビ」)で就労支援領域のコンテンツマーケティング・カスタマーサクセスを担当。その後発達ナビにてセールスを経験、現在は新規サービスの企画・開発に従事する。

閉ざされがちな「家庭内の悩み」が、社会に開かれるように。「発達ナビ」がつなぐ新しい絆

現在、白川が事業企画を務める「発達ナビ」は、発達が気になるお子さまの保護者と福祉施設(児童発達支援や放課後等デイサービスなど)をつなぐプラットフォームであり、同時に事業所の経営を支援するSaaS(業務支援ソフト)を提供しています。





白川は「発達ナビ」発足時の課題をこう振り返ります。

「かつて、お子さまが通うための施設(児童発達支援や放課後等デイサービスなど)を探す際、保護者は役所から渡されたリストの上から順に電話をかけるしかありませんでした。施設ごとの特徴や、空き状況も分からない状態だったのです」

このような不透明な状況に情報という光を当て、それぞれの個性に合った環境をウェブ上で選び、ご本人が自分らしくいられる施設を選ぶことができるようにお手伝いしていくこと。それが「発達ナビ」のミッションです。

「私たちが目指しているのは、単なる情報のマッチングではありません。各ご家庭の中で閉ざされてしまいがちな悩みを社会でも認知をされやすいようにして、親子がより自分たちらしくいられる選択肢の『量』や『質』を増やしていくことが私たちの存在意義なんです」

私がたどり着いた、一生をかけるフィロソフィー

現在、事業を通じて社会課題に向き合う白川ですが、その核となるフィロソフィー(哲学)は、「家族の境界線を曖昧にする」ということです。その根底には、ある原体験がありました。



それは、自身の家庭環境への「気づき」から生まれました。

「私自身、児童福祉や家族社会学の知識も得ていたため、家庭の課題に対するアンテナは人一倍高いという自負がありました。しかし、 小さい頃から過ごす家庭の『当たり前』は、自分ではなかなか疑問を持てないものです。私もずっと家族の価値観を信じて疑いませんでしたが、ふと『自分の“普通”は、世間とは違うのかもしれない』と気づく瞬間がありました」

その気付きは、白川にとって大きな衝撃だったといいます。

「児童福祉や家族社会学を学び、家族を客観的に見る機会があったにも関わらず気づけなかったということは、世の中には『家庭だけのルール』の中で暮らしていて、ほかにも選択肢があることに気づいていない人が多くいるはず。
家族という最小単位のコミュニティは、外からは中が見えにくい。だからこそ、もっと外の風を入れて、家族の境界線をゆるやかにしていきたいと考えたんです」

そうして定めたのが「家族の境界線を曖昧にする」というフィロソフィーです。以後、学生時代はこのフィロソフィーに基づいていろんな挑戦をしていきました。

-「How」を求めてたどり着いたLITALICO




就職活動においても、白川の判断軸はシンプルでした。「家族の境界線を曖昧にする」というフィロソフィーを実現できる場所かどうか。という点を重視していました。

「面接では常に自分の想いを伝え続けながら、親和性がある企業を見ていきました。最終的には、当時アルバイトをしていた通信制高校に就職するか、LITALICOに入社するかで迷いましたが、どの会社を受ける時も、『私は人生でこれを実現したいと考えています。御社ではどういう手段(How)でそれに近づくことができますか?』など、自身の想いとの企業側との接点を探しながら、コミュニケーションを取り続けました。

私自身のフィロソフィーは会社に入っても変わりませんが、それを実現するための『How』は、社会人になることで大きくひろがると考えたんです。

そして、LITALICOであれば、『事業』という手段を使って、社会の構造そのものにポジティブな変化を起こせると感じ、入社を決意しました」

成人向けの就労支援へ。予想外の異動がくれたキャリアの転機

強い想いを持って入社し、希望通り「発達ナビ」に配属された白川ですが、3年目を迎える頃、予想外の変化がありました。成人向けのプラットフォームを提供する、「仕事ナビ」を運営するチームへの異動を打診されたのです。



「正直に言うと、当時は上司に少し不満を伝えました(笑)。ずっと子どもに関わる仕事がしたかったので、『どうして私が成人向けの就労領域なんですか?』と率直に伝えたこともありました。

しかし、実際に異動して就労支援の現場に触れてみると、自分にとってかけがえのない経験になることが分かりました。

子どもはやがて大人になり、社会に出て働きます。児童領域だけを見ていた時は『点』でしか捉えられていなかった支援が、就労領域を知ることで、人の一生という『線』で見えるようになったのです。

法律や制度上は管轄が区切られますが、その人の人生はシームレスに続いています。領域をまたいで経験したことで、人生をトータルで捉える複眼的な視点が身につきました。今では、あの一年は私のキャリアにとって絶対に必要だったと思えます」

- 発達ナビ、LITALICO、そして社会全体へ


現在、再び「発達ナビ」の事業企画に戻った白川。しかし、その視点は新卒当時とは大きく異なっています。彼女が仕事の中で意識的に行っているのが、「主語の往復」という思考です。

「新卒の頃は『発達ナビ』を主語にして考えていましたが、今は『LITALICO全体』や『社会福祉業界』、あるいは『社会全体』へと、主語を切り替えながら考えるようにしています。

例えば、『福祉と繋がっていない人をどうサポートするか』という課題があったとします。発達ナビだけで解決しようとすると限界がある。でも主語を『LITALICO』に変えれば、『LITALICOライフ(保険・ライフプラン)https://litalico-life.co.jp/』のサービスとつなぐことができるかもしれない、と発想が広がるんです」

主語を変えると、同じ課題でも見え方が全く変わるんです。一つの主語だけを追いかけていては出てこないアイデアがある。だからこそ、『今、自分は何を主語に考えているのか』を常に意識して、思考を行ったり来たりさせる。これが、私がキャリアを通じて得た最大の成長スキルかもしれません」

キャリアの中で成長した事

様々な職種と領域を経験したことで、白川の視座は大きく変化しました。その中で彼女が得た学びは、「物事をシステムとして捉える視点」と「徹底した顧客視点」でした。



1. 「システム」として事業を捉える


福祉の世界には、課題の原因を個人に求める「医療モデル」と、環境との相互作用にあると考える「社会モデル」という考え方があります。

例えば、学校で困っている子がいた時、お子さま自身(点)だけを見るのではなく、家族、担任の先生、地域の環境といった「面(システム)」全体を捉えてアプローチすることで、解決策は大きく変わります。

これは事業づくりでも同じでした。 

課題の原因を「個人の資質」だけに求めるのではなく、環境を含めた「システム」全体の相互作用の結果として生じたものとして捉えるアプローチです。そうすることで、アプローチ先が増えて打ち手が増えたと語ります。

「入社当初は『発達ナビ』という一つのサービスを主語に仕事をしていましたが、今は『LITALICO全体』あるいは『社会全体』という大きなシステムの中で、どう機能すればもっと社会が良くなるかを考えるようになりました。視野を広く持つことで、打てる手の選択肢が爆発的に増え、仕事がより面白くなったんです」

2. 机上の空論を捨て、顧客の「生の声」を取りに行く


現在、新規事業の企画を行う中で痛感しているのが、自身のバイアス(思い込み)を自覚し、顧客に直接問うことの重要性です。

「以前、幼稚園へのヒアリングで、自分の仮説が見事に外れたことがありました。でも、それでいいんです。自分の思考には必ずバイアスがかかっています。

自分の頭だけで考えた答えは、あくまで思い込みに過ぎません。しかし、だからといって漫然と話を聞くだけでは、お客さまの本当の答えは得られないと思っています。

重要なのは、不完全でも自分なりの「仮説」を伝えることです。

『こうじゃないですか?』と『30%の精度』で仮説を出して聞いてみることではじめて、『実はね…』という本音や、具体的な課題が見えてきます。
何度もお話しを重ね、仮説と検証のPDCAを回すことで、机上の空論ではない手触りのある企画が生まれるようになりました」

-1日のスケジュール


さいごに、白川の一日を見てみましょう。



午前中はメールチェックやコンテンツ制作などの企画業務を行い、午後からは企画を検討するにあたっての情報収集や整理に充てています。実際に生の声を聞くために、外出することもあります。

「新しいサービスのヒアリングのために、事業所を訪問することもあります。自分の仮説を持って行き、お客さまの声を直接聞かせていただきます。そして夕方に社に戻り、得られた情報をチームに共有して次のアクションを決めています」

実際に現場に行って得られた声にこそ、本当に必要なことや価値のある情報が詰まっています。顧客の話をしっかりと聞くことで、机上の空論ではなく、顧客が必要なサービスを作り出すことができます。「現場の声」と「企画の構築」を行き来するといった働き方が、質の高いサービスを生み出す土壌になっているのです。

参加した学生へのメッセージ

白川は自身の経験を踏まえ、これからのキャリアを考える学生たちにメッセージを送りました。



「LITALICOには特定の領域だけでなく、もっと広い『社会課題の解決』そのものに熱狂しているメンバーがたくさんいます。社会課題という大きくて複雑なテーマに対して、ビジネスという手法で挑む。そこには難しさもありますが、それ以上に、仲間と議論しながら解を見つけていく楽しさがあります。もし、今の社会に何かしらの違和感や『こうだったらいいのに』という想いがあるなら、それを実現するフィールドとして、ぜひLITALICOを覗きに来てください!皆さんとどこかでお会いできるのを楽しみにしています!」

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