2020.08.19

現場との距離の近さをいかした開発で、本質的に「ものづくり」ができるエンジニア組織へ。

LITALICO発達ナビ エンジニアインタビュー

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「障害のない社会をつくる」をビジョンに掲げるLITALICOは、『LITALICO発達ナビ』や『LITALICO仕事ナビ』等インターネットプラットフォームを中心としたソリューションも展開しています。本記事では、社内で活躍するエンジニアの思いや、現在開発しているプロダクトについて紹介します。今回は、プロダクトエンジニアリング部のLITALICO発達ナビグループでマネージャーを務める、根岸正彦さんにお話をお聞きしました。

保護者が安心できるサービスをつくる

私はLITALICOで2人目の新卒エンジニアとして、2014年に入社しました。入社直後は、「LITALICOワンダー」というプログラミング教室の立ち上げに関わり、カリキュラム・教材作成、お子さんへの指導や教室運営を行っていました。2014年の秋頃から、リアルな店舗事業に加えて、インターネット事業を本格的に開始することになったので、子育てメディア「Conobie※」の立ち上げ、うつ病の当事者向けSNS「U2Plus※」の運用・開発、2016年に発達障害ポータルサイト「発達ナビ」の立ち上げと、新規サービスの立ち上げや既存サービスの運用に携わってきました。
※Conobie(コノビー)は2018年12月、U2Plus(ユーツープラス)は2015年3月に事業譲渡しました

―現在は、どのようなお仕事を担当されているのですか。

現在はプロダクトエンジニアリング部で「LITALICO発達ナビ」のサービス開発や、プロジェクト管理を行っています。直近では「発達ナビPLUS」という、発達障害のあるお子さんを持つ保護者向けの有料オンラインサービスを立ち上げました。このサービスは、以前からサービス化を検討していましたが、「新型コロナウイルスの影響でストレスや不安が高まっている保護者を今支えられるサービスではないか」という思いから、急遽1か月程度で完成させ、新サービスとして4月末にリリースしました。
「発達ナビPLUS」は発達の専門家に子育てのメール相談ができる機能があるのですが、お子さん一人ひとりの特性に合わせたアドバイスをするために、丁寧に状況や課題をヒアリングした上で回答をしています。その分、運営側の負担が大きく、回答に時間がかかってしまうため、相談から回答のリードタイムを削減するための仕組み・システムを検討しているところです。リリース後もPDCAを回しながら、保護者に安心してもらえる機能を作っていきたいと思っています。


―業務を行う上で大切にしていることを教えてください。

私のグループでは、toCサービスとtoBサービスの両方の開発を担当しているのですが、それぞれ考え方やアプローチが異なります。
toCサービスでは、発達障害のあるお子さんの保護者向けにサービスを展開しており、「課題に対して、どのようなサービスやプロダクトで解決できるか」を仮説に基づいて企画します。解決策に答えはなく、解決策の自由度も高いため、ユーザーへのヒアリングやログデータの分析などを通じて、いかに早くPDCAを回してユーザーのニーズを知り、正解に近づくか、を心がけています。
一方で、toBサービスについては障害福祉施設向けの業務支援システムを提供しています。障害福祉の業務自体が法律に基づいて実施されるため、課題の解決策には制約があるところも、toC向けのサービスとの大きな違いです。また、定期的に法改正があり、より変更に強いシステム設計や実装を心がける必要があります。

現場との距離が近く、ビジネスを共に作り込める

―LITALICOで働く魅力や面白さについて教えてください。

一つは、リアル(店舗)事業を運営しているので、現場との距離が近いことです。仮説・検証をする上でも、実際の店舗に出向いて、当事者や保護者、事業所スタッフの声を拾いやすい環境にあります。「LITALICO発達ナビ」の機能の妥当性について、LITALICOジュニアに通う保護者に試してもらい、意見をいただくこともあります。サービスの企画を考える上でも、業界や業務に関する理解はとても重要なので、開発メンバーには現場に積極的に行ってもらうようにしています。

もうひとつは、「ビジネス職と受発注関係にならない」ことです。ビジネス職から企画が上がってきて、エンジニアがそれを作るという組織も多いと思いますが、LITALICOでは新規サービスの構想を練る段階から、エンジニアも企画に参加するようにしています。一つの機能開発を取っても、仮説・分析→実行→検証→改善の全てのプロセスをエンジニアが担当することで、本質的に「ものづくり」ができるエンジニアを育成するようにしています。最近はITが使われていなかった分野にテクノロジーを活用するビジネスが増えているので、課題解決のフレームワークを学ぶことで、会社の外に出ても活躍できる人材になってほしいと思っています。

居住地や経歴に関係なく多様なエンジニアが活躍できる組織に

―最後に、今後LITALICOで挑戦したいことを教えてください。

LITALICOは「世界を変え、社員を幸せに」という理念を掲げていますが(※2020年取材当時)、社会を変えるためのプロダクト開発はもちろん、社内のスタッフが働きやすい環境整備に取り組んでいきたいです。在宅勤務やテレワークの導入が加速し、働き方や会社の関わり方が変化する中で、地方在住のエンジニアの採用や、未経験エンジニアの育成など、より多様な人材が活躍できる仕組みや制度が求められつつあります。LITALICOは当事者向けの店舗事業のイメージが強いですが、エンジニアが活躍しやすい環境を整備し、「LITALICOのエンジニアってすごいね」と言われるような人材を育成していきたいです。
また、個人的には、重度障害のある方のテクノロジーを活用した就労支援にも挑戦したいです。私の家族は知的障害を抱えながら、いわゆる作業所で働いていますが、1日の工賃はたった500円です。当事者の家族として、私自身も「親なき後」にどう備えるべきか日々考えており、同じような悩みを持つ人たちの解決につながるサービスを作りたいなと思っています。

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