2025.09.04

メガバンクから福祉業界への転職。センター長として目指す、誰もが自分らしく働ける社会とは?

LITALICOワークス センター長インタビュー

対人支援職

中途

mm1
今回のインタビューは、LITALICOワークス https://works.litalico.jp/ (以下、ワークス)の支援員として活躍する松本さんです。今年2月からセンター長としてセンターの立ち上げに関わり、「毎日出勤したくなるセンター」を目標としている松本さんから、入社の経緯や現場での取り組みについて詳しくお話を伺いました。

直観的な出会いから、銀行から障害福祉の分野へ

プロフィール
松本さん
法学部出身。ディベートサークルで金融をテーマにディベートを行った経験からメガバンクに就職。2年ほど銀行で勤めた後、2018年に当社に入社。現在センター長として3拠点目の拠点にて就任中。



前職は銀行に勤めていたという松本さん。LITALICOとの出会いは「障害福祉」というキーワードを見つけたところから始まりました。

ー なぜ金融から福祉という異業種への転職を考えるようになったのでしょうか?

前職の就業中、中長期的な自分のキャリアについて考える機会がありました。突き詰めて考えていくうちに、銀行に勤め続けても将来の目標や会社で実現したいことが特に思い浮かばないことに気付いて転職を決めました。

ー LITALICOとの出会いのきっかけは?

転職活動を始めたときに偶然LITALICOの採用ページを見つけて「障害福祉」という言葉が目に留まりました。身近に障害のある家族がいたこともあり、自分自身の思いや関心の強い業界で働きたい、という気持ちが一気に高まったのを覚えています。

会社との出会いとしては、一目ぼれというか、直観に近かったかもしれません。すぐに中途採用の説明会への参加登録をして、その日のうちに一次面接を受け、内定が出る前に前職へ辞表を提出していました。

“障害は社会の側にある”──その視点に惹かれて

突然の出会いから始まったLITALICOでのキャリア。ビジョンや価値観など考え方に共感する部分も大きかったと振り返ります。

ー 障害福祉分野であるということ以外にも、LITALICOに強く惹かれた理由はどんな部分だったのでしょうか?

「障害のない社会をつくる」というビジョンや 「障害は人ではなく、社会の側にある」というLITALICOの考え方に惹かれました。どうしてもやりたい業務や仕事内容への強い思いがあったわけではないのですが、これまで自分が知らなかった新たな価値観と出会ったことで、「この理念のもとで働きたい」、と思ったことが入社理由としては非常に大きかったと思います。

はじめは、子どもに関わることのできるLITALICOジュニアを志望していましたが、これまでの経験を面接担当者に話したところ、LITALICOワークスを勧められたため就労移行支援の事業に配属となりました。

ー 入社してから現場と配属になってからは、どう感じましたか?

実際にLITALICOワークスへ配属された後も、特に入社前とのギャップを感じることはありませんでしたね。最初に心惹かれた会社の理念・価値観が、現場のスタッフたちにも浸透しており、言動にも現れているなと思いました。

利用者さんや他の社員との関わりを通して、自分の視野の狭さを感じることもありました。多様なバックグラウンドを持つ人たちと接するうちに、一人ひとりの考え方や価値観に触れる中で、自分の世界が広がっていく感じがします。入社して7年ほど経ちましたが、毎日新しい発見や学びがあり、常に仕事に対してわくわくを感じることができる職場だと思います。

その人らしく働ける場所の「可能性」を狭めない

ー 利用者さんとの関わりで印象に残っているエピソードはありますか?

入社してからはじめて伴走した利用者さんは特に印象に残っています。
働くうえで、知的障害がある方でコミュニケーション面で困りがあった中で、ワークスには非常に楽しみながら通ってくださっていました。

最終的にとある企業への一般就労が決まったのですが、当初は関係機関の方々からは「一般就労をしても、継続は難しいかもしれない」という風に見られていた方でした。一方、その方は最終的には現在5年ほど、同じ企業で働き続けることができています。就労継続A型、B型、という選択肢も様々あった中で、ご本人の可能性や思いをあきらめずに支援し続けた結果、一般就労が実現できた例でした。
利用者さんがその人らしく、居心地の良い場所で生き生きと働ける場所はどこなのか。可能性や選択肢を狭めることなく、しっかりと寄り添いながら就職のご支援をすることが私たちの重要な役割だと考えています。

ー 地域や企業との連携はいかがでしょうか?

ワークスでは、地域とのつながりを大切にしており、私自身も関係機関との連携会や交流会、イベントにも積極的に参加するようにしています。センターの開設時には地域の方々にもお披露目するようにするようにしたりと、卒業後の一般就労へとつながるよう連携の機会を増やしています。今のセンターは開所したばかりのためまだ定着支援の事例はないのですが、いずれは利用者さんの就業以降の伴走にも携わっていきたいです。企業の抱える障害者雇用に関する課題を一緒に考え、連携を密にしていきたいですね。

センター長として目指したのは「毎日訪れたくなるセンター」

松本さんがセンター長になった経緯や、センター長として取り組まれたことを伺いました。

ー センター長になったきっかけは?

ありがたいことに、働き始めて早い段階で「センター長にならないか」と声を掛けていただいたことがきっかけで、今のポジションに就いています。20代前半だった当時の私は最初は重荷に感じてしまい断ってしまったのですが、何度か声を掛けていただき覚悟を決めました。

特段マネジメントやリーダー職に関心が強いタイプではなかったのですが、センター長になるからにはと、職場の雰囲気をよりよくするにはどうしたらいいのを考えたり、スタッフとのコミュニケーションを積極的にとるようになったりと、役職に就いてから意識や行動が変わっていったと思います。

ー センター長業務のやりがいはどんなところでしょうか?

一番のやりがいは、「このチームでどんなセンターにしたいか?」を日々考えられること。スタッフの皆さんと共にチームで職場環境をつくっていける楽しさにあります。今在籍しているセンターは2月に開所したばかりなのですが、センター立ち上げにあたって私が掲げた目標は「毎日出勤したくなるセンター(利用者さんも、スタッフも毎日訪れたくなるセンター)」でした。

以前、他の拠点のセンター長が集う会議のテーマとして「良いサービスとはなにか?」を話し合ったことがあり、その会議でサービスを突き詰めて考えた結果「自分の家族を安心して預けられるセンターか?」という視点がとても大切だと改めて思うようになりました。

センター長としてはもちろん達成すべき数値を意識する必要はありますが、そこだけにとらわれることなく、利用者さんへの支援に対しては、常に「誰かの大切な家族を支援している」という意識を持つことを大切にしています。

ー センター長としてどんなことを心がけていますか?

センター長になってから配属されたセンターとしてはここが3拠点目になります。立ち上げからの時期から携わっているのですが、私はこのセンターのスタッフのなかで年齢としては最年少でした。年功序列などの風潮はない会社ですが、個人的に年齢の異なるスタッフのマネジメントをどのようにするのかは悩みました。

そこで、自分の出来ないことや困ったことがあれば積極的に周囲を頼るように心がけてみたんです。そうすることで、みんなも困っているときに周囲に助けを求め、悩みを抱え込まないような環境が自然とできていったなと感じています。

今でも、まずは私自身が「楽しみながら働くこと」を心がけています。そこからスタッフの仕事に対する気持ちも前向きに変わり、その先の利用者さんたちにとってもここは楽しい場所だから毎日通いたい、と思ってもらえるといいなと。以前、利用者さんからも「松本さんはいつも楽しそうですね」と言われたことがあって嬉しかったです。

ー センターごとに状況も異なると思いますが、その時々に応じてどんなことを大切にしていましたか?

スタッフの性格も、チームとしての強みも、センターごとに様々で、どの拠点でもこれならうまくいくという形はないと思っています。
例えば前のセンターでは、経営回復に向けて引っ張っていく立場としてスタッフに目標をはっきりと伝えて、高い支援の質を維持するだけでなく、数値についても同時に意識してもらうように働きかけていたりもしました。目の前の状況や人に応じて対応を変えていくことが大切ですね。

ー 大変だったことはありますか?

入社してからずっとわくわくした気持ちや楽しい気持ちがある一方、時に苦労することもありました。

センターの目標達成状況に応じて、もしマイナスになっている要因があればしっかり把握するように努めました。他のセンターを見学して新しい仕組みを導入したり、必要なことと不要なことを切り分けたり。また、業績が少しでも伸びるたびにみんなで喜びを分かち合い小さな成功体験を繰り返していくようにすることも大切にしていました。

センターとしての目標達成と、よりよい支援を継続することに対し、バランスよくセンターを運営するのは難易度が高いことでもあります。時には、センターの方針についてスタッフと意見の相違が生じることも。

それでも、会社が大切にしている理念やセンターとしてどうありたいか、の軸を共有しながらスタッフ一丸となって進むことが大切だと思っています。そうして結果的に前のセンターでは、目標を上回る成果を出すことができました。大変でしたが、良い経験になりましたね。この経験のすべてが今に活きています。

地域と企業が自然に「働く」を支えられる社会へ。

ー 「誰もが安心して暮らせる社会」の実現に向けて取り組まれていることを教えてください。

就労移行支援は、利用者さんが社会へ一歩踏み出すため段階でサポートする形のひとつです。私は将来的に、就労移行の制度がなくなったとしても、障害のある方の就業や定着が当たり前に実現できる社会を目指せたらいいなと思っています。

障害のあるなしに関わらず、地域や企業とがうまく連携しあい、誰もがサポートし合うことが当たり前であるという価値観をもつ社会になれば、もしかすると就労移行支援としてのあり方も変わっていくかもしれません。

ー 入社を検討されている方に向けて一言お願いします。

人と向き合うことを大切にしている社員が多く、困難な壁に当たっても誠実にしようとする文化がある会社です。どういう社会にしていきたいのか、どんなことを目指すのか、を軸に置きながら、あなた自身が真摯に仕事に取り組むことで、成長の機会やあなたの希望を実現できるチャンスを得ることができる環境です。
人が好きで、「自分らしく働く」ことを自他ともに実現させていきたいと考えている方は、ぜひ一緒に働きましょう!

この記事をシェアする