アパレル出身、未経験から支援に初挑戦。自分に合った環境を求めて辿り着いたグループホームの支援のやりがいとは。
LITALICOレジデンス 支援スタッフインタビュー
対人支援職
中途

接客は好きでも、周りを気にしながら働く日々
プロフィール 福士さん
アパレル、ジュエリーなどのファッション系の接客・販売業に2年ほど従事。働き方や最適な職場に悩む中で、福祉業界へのはじめてのチャレンジを決意。現在はLITALICOレジデンスのグループホーム支援スタッフとして入社4か月目(取材当時)
― LITALICOに入社するまでのキャリアについて教えてください。
高校卒業後は、短期大学に進学しました。特にやりたいことは明確には決まっていなかったのですが、洋服やファッションに関心があったので、新卒ではアパレル会社に入社しました。
しかし、私には手に汗をかいてしまう多汗症という持病があり、正直なところ「できるかどうかわからないけど、とりあえずやってみよう」という気持ちで飛び込んだんです。やはり服を扱う仕事ということで続けるのが難しく、やむなく退職することになりました。
その後も美容系の業界も検討してみたりしましたが、病気が理由で継続が難しくて。派遣で飲食の仕事をやったこともあります。「なかなか自分に合う仕事がないな…」と悩む日々でした。ここに入社する1社前には、百貨店のジュエリー販売の派遣の仕事に就きました。「好きな仕事をやりたい、諦めたくない」という気持ちが強く、これが最後のチャンスだと思いチャレンジしてみました。
― 接客がとてもお好きだったんですね。どういったところが魅力でしたか?
百貨店で働いていたとき、何度もリピートしてくださるお客様がいたんです。名前を覚えてもらえる、毎回顔見知りとして接していただける、というのは嬉しいことでした。お客さまとの距離を縮めて、相手のニーズに応えていくことにやりがいを感じていましたし、誰かの役に立ち、感謝されることも好きだったのだと思います。
だからこそ続けたかったのですが、お客さまから手のことで言われてしまうこともあったり、自分がどう思われているんだろう、と常に気にしてしまう中では仕事に身も入らず、転職を考えるようになりました。
― その後、転職活動ではどのような職種を検討されていましたか?
業界は特に限定せず、一般事務系なども含めて色々なところの面接を受けていました。ウェブサイトは「女の転職」という女性向けのものを見ていることが多かったです。給与やボーナス、育児休暇などの福利厚生をしっかりチェックしていました。アパレルではそこまで給与がもらえなかったので、金銭面は一定重視していました。
「まったく違う」業界にチャレンジして、環境を変えたい
― どうして福祉業界へ新たにチャレンジしてみようと思ったのでしょうか?
これまでの経験から接客業に少し疲れていたこともあり、「全然違う分野」でやってみようと思って転職活動を始めたんです。福祉や介護の仕事はもともとは視野に入れていなかったのですが、親族や身近な人のなかに介護関係の仕事をしている人がいて、相談したときにやってみようかな、と感じました。LITALICOの求人を見たときは「未経験歓迎」「研修がしっかりある」「(2棟目は)女性限定施設」という点も安心材料になりました。
― 新規事業の立ち上げメンバーとしての募集でしたが、その点はどうでしたか?
「オープニングスタッフ」という点は私にとっては魅力でした。人間関係が既にできあがっているところよりも、みんなで一緒にスタートできるほうが、未経験であってもベテランも新人も関係なく働きやすそうだと感じたためです。
― 入社前に、障害のある方と接する機会はあったんでしょうか?
全くありませんでした。ただ、Youtubeでダウン症の方が出演されているとある動画を見たときに、とても素直で純粋な雰囲気を感じたんです。これまで人間関係が複雑だったり、自分をよりよく見せたいというタイプの方も周囲にいたりしましたが、その方はありのままで佇んでいる様子で、すごく魅力的に映りました。
― 実際にグループホームの見学をされたときの印象はいかがでしたか?
「きれいな施設!」というのが第一印象で、ここで働けたらいいなと感じました。その時は知的・身体など様々な障害のある方がリビングに集合していた時間だったんですが、車いすに乗っておられる方、自由に声を出されている方など、様々な特性をもった方がいて、多少の驚きはありました。ただ、働き始めて1か月くらい経つとすぐに慣れていきましたね。
わからなければ、先輩スタッフにすぐに聞ける環境
― 現在のお仕事内容について教えてください。
日勤では、午前中のアクティビティの時間に、利用者さま一人ひとりの担当について一緒に過ごします。散歩に行ったり、勉強やゲームをしたりですね。そのほか、食事介助や午後の入浴対応、ご飯を作る、食事介助などの業務も行っています。
― 最近、印象に残ったエピソードはありますか?
普段、口数が少ない方が、絵カードを見ながらであれば次々に食べ物やものの名前を大きな声で回答してくれたことがありました。「こちらの対応を変えるだけで、こんなにしゃべれるんだ!」と、利用者さまの新たな一面を発見できたことが嬉しかったですね。
また、利用者さまから「ごはんのとき、先に声をかけてから介助してほしいな」と伝えてくれたことがありました。ご本人も言いたいことを言えない場合がある中で「福士さんなら伝えられるかな」と思って頼ってくれたことが、とても嬉しかったです。
― 日々の業務で大切にしていることは何ですか?
今はまだ4か月目なので、わからないことがあればすぐに誰かに聞くようにしています。接し方も一定マニュアルはありますが、先輩スタッフから教えてもらいつつ、自分で様子を見て、聞いて、真似して覚えていく感じです。例えば、スケジュールが決まっていたほうがスムーズに動ける利用者さまには、ご本人と確認しながら「あと30分後ね」と声をかけるなど、個別での対応を心がけています。一人で判断せず、スタッフが2名以上いる体制なので、誰かに確認できるのは安心な環境と感じています。
― LITALICOに入社したあとの研修やOJT体制はどう感じましたか?
研修は、座学が2日間、残りの5日間が実践的なものでした。特に、お風呂の入れ方や移乗の仕方など、実践的なスキルはOJTで現場で先輩から教えてもらいながら、応用編を含めて覚えていきました。最初は不安もありましたが、わからないことや変更が発生したときは、一人で対応してしまう前に誰かに確認するように心がけています。
利用者さまにとって、何が一番いいのか?チームで考える
― 4か月経って、大変だったと感じることはありますか?
ベットから車いすへの移乗など、一定の力仕事もあるので、体力が必要な部分は大変に感じることもあります。体を動かす仕事なので、体調管理は大切ですね。夕方から翌朝にかけての夜勤のシフトもありますが、何度か入ることで慣れていきました。しっかりと夜勤手当がつくので、そこは自分の中で頑張るモチベーションになっています(笑)。
― 難しさを感じることはありますか?
支援のなかで先輩社員から学ぶうちに、「ご希望の全てを受け入れるのが必ずしも良いことではない」という点は学びになりました。
最初は頼まれたらすべてイエスで応えてしまいがちだったのですが、スタッフの数には限りがあるし、利用者さまやご家族それぞれに「こうしてほしい」という要望があります。その中で、これから先の利用者さまの将来を想像したときに、「すべてをスタッフがやる」というのが正解でないこともあります。支援のあり方については、「今」だけでなく「未来」も見据えて一度立ち止まって考える必要があることを学びました。一人で考えると難しいところですが、先輩から根本的な考え方から学べているという実感があります。
― チーム全体では、どのような雰囲気で仕事に取り組んでいますか?
いい意味で常に忙しいので(笑)、人間関係で悩む暇がないという感じです。「未経験の人でも、思ったことをなんでも言っていいよ」という文化があることはありがたいです。既に決まった内容で「これをやって」と一方的に決められるのではなく、皆で一度「こうするのはどうかな?」と相談してから決まる感じです。日々の活動内容についても、「こうしたらいいんじゃない?」などの相談や議論に自分も加われるので、当事者意識を持って働けるのが魅力だと感じます。
名前を呼んでもらえる、毎日の暮らしの中でのサポート
― お仕事のやりがいや楽しいと感じるところを教えてください。
グループホームでのお仕事は、利用者さまと一緒に生活をしているな…という感覚があります。お菓子作りやお散歩など、一緒に何気ない日常を過ごしながら安心できる生活をお届けすることが、私にとってのやりがいになっています。また、利用者さまに名前を覚えてもらえたときは、接客の仕事をしていたときと同じく、やっぱりとても嬉しいなと感じました。
― LITALICOの文化や働くメンバーについて、どう感じていますか?
私自身が自分の病気のことを情報開示したうえで内定を出してもらえた身でもありますし、「障害に対して偏見がある人が全然いないな」という印象です。
ずっと病気のことで悩んでいましたが、今は常に手袋をつけたり手を洗える配慮もしてもらえていますし、利用者さまから何か言われることもありません。以前のように「常に見られている」「よく見せないと」といった緊張感がなく、目の前の利用者さまに集中して目を向けていられる環境は、私にとって合っているのかなと感じています。
― 今後、仕事をする上で大切にしていきたいことはありますか?
最初はわからないことだらけですが、わからなかったら誰かにすぐ聞くという姿勢をこれからも大切にしていきたいです。幸い、それが叶う環境なので、自分の成長に繋がっていると感じています。今後は、もし余力があったら介護・福祉系の資格を取得してみたいと思っています。この業界と出会って、今後も長く頑張ってみたいという気持ちがあります。
― 最後に、どのような人にLITALICOレジデンスの事業に参画してほしいと感じますか?
私自身がコンプレックスを抱えてきたからこそ、誰かの弱みに寄り添える気持ちがあると感じています。仕事を通じて、誰かの役に立ちたい、サポートしたい、という気持ちがある人にはぴったりの仕事だと思いますし、未経験でも活躍できる環境は整っていると思うので、ぜひチャレンジしてみてください!

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