「本人よりも、本人のことを諦めない」伴走者として。サビ管としてスタッフや企業と共に福祉をよりよく。
LITALICOワークス サービス管理責任者インタビュー
対人支援職
中途

「ありがとう」から感じた、誰かの役に立つ喜び
プロフィール
LITALICOワークス サービス管理責任者 関口さん
学生時代に社会福祉士・精神保健福祉士の資格を取得。大学卒業後は、精神障害のある方の地域生活サポート、グループホーム、就労継続支援 B型事業所での支援など、一法人の中で多岐にわたる福祉の現場を経験。2019年にLITALICOに入社し、現在はサービス管理責任者として活躍中。
高校3年生の進路選択の時点では、まだ将来何をしたいか全く決まっていなかったという関口さん。そんな時、先生に勧められて介護のボランティアに参加したそう。
ー 福祉業界を選ぶきっかけになったのはどんな出来事からでしたか?
当時はすごく内気なタイプだったんですが、介護施設でのボランティアで利用者の方から感謝の言葉を直接いただき、自分がやったことで誰かの役に立った感覚がとても嬉しかったんです。これが福祉の道に進む大きなきっかけになりました。
また、学生の頃、周囲とうまくいかず自分自身が精神的に落ち込んでしまった時期があったんです。そんなマイナスに思える経験も、社会の中でプラスに活かせたらいいな、という気持ちもこの業界を選んだきっかけになっていますね。
ー 資格取得の際に実習も経験されたと思いますが、どんなことを感じましたか?
精神科の病棟で実習を初めて経験したときは、かなり衝撃的でした。歴史や実態を学ぶうち、20年以上も入院し続けたり、閉鎖的な空間に押し込められてきたようなケースもあると知りました。ご自宅のある地域で暮らすどころか、人間らしい生活すら送れていない方々がいるという事実に対し、その時はとにかく「なんでだろう?」という強い疑念がわきました。
就職の壁を痛感し、企業連携の必要性を実感
ー これまでの福祉現場での経験について教えてください。
前職の法人で障害者グループホームで勤めていた時期は、暮らしの中で炊飯器が使えるようになった!といった些細なことであっても「できること」が1つずつ増えていく支援に喜びを感じていました。
一方で、やれることを増やしながら能力の低下を穏やかにする、という部分でバランスのとり方が非常に難しいとも感じていました。利用者さんにとっての「できること」が増えて広がっていく機会をさらに増やせる場で働きたいとと考えていた矢先に就労継続支援B型事業所への異動が決まったんです。
ー B型ではどんなお仕事をされていたのですか?
利用者さんと一緒にキッチンでの調理や接客を行う事業所だったので、自分も包丁の使い方から覚えて利用者さんとともに作業をしていく仕事を約4年ほど続けていました。
中には、就労継続B型から次のステップに進みたいという利用者さんもいて、とある企業に応募したときに面接に同席したことがありました。その時、ご本人もいらっしゃる面接の場で、人事の方に「うちは精神障害の人は受け付けていない」と言われてしまったことがあったんです。
その方は、その後ショックで体調を崩されてしまったりもして、企業での障害への理解や雇用への意欲がこんなにも進んでいないのか、と憤りを感じた出来事でした。
ー LITALICOへの転職はどのようにして決めたのですか?
同じ法人内に就労移行支援の事業所もあったため、そこで障害者雇用の推進に力を入れていきたいとも考えたのですが、ここでも利用者さんのあまりの内定率の低さ、企業側の雇用意欲の低さを実感しました。世の中に法定雇用率は存在しているものの、障害のある方を雇いたいと本気で思っている企業は圧倒的に少ない。だからこそ、利用者さんへのアプローチだけではなく、企業や社会とももっと連携をしていかないと社会は変わらない、と感じたんです。
だからこそ、ただ訓練をして終わりではなく、企業連携がより強固に進めていけそうな大手の就労移行支援企業に転職を検討し始めました。LITALICOは、特に企業連携に力を入れているように感じましたし、データを見ると利用者さんの就職実績も豊富でした。当時、福祉法人の就職率は年に1回程度のところも多く、LITALICOの決定数の多さは圧倒的だったと思います。
福祉への熱意を語り合えるLITALICOとの出会い
入社までは、自分の想いを熱く語っても、同じスタンスで話ができる瞬間が少なかったという関口さん。LITALICOでは、その想いや考えに共感してもらえたことがまず嬉しかったと言います。
入社前に、LITALICOの代表の著書を読んだりする中で、まずは「障害のない社会をつくる」ってすごいビジョンだな、と感じていました。また、面接では、マネージャー、サビ管、センター長とお会いしたのですが、私自身の業界への想いやビジョン、の部分を深く聞いてくださり、熱く語ってもしっかりと受け止めてくださる心地よさがありました。
採用担当の方から自分の子どものことを含め、私や家族を気遣うような言葉をかけてくれたりもして、いち候補者ではなく「人」としてしっかりと自分を見てくれていると感じました。現場の雰囲気も明るく、立場によって仕事に対する温度差を感じない点も魅力的だったので、最終的に入社を決めました。
その頃はまだ、福祉業界の中でも株式会社、というだけで「利用者よりも利益のことを重視しているのでは?」といった意見を聞くことも少なくない頃でした。
一方で、実際に面接でLITALICOの方とお話してみて思ったのは、「ロマンとソロバン」のバランスがいいなということ。福祉業界では数値・利益を追うことへの抵抗感が強い場合もありますが、LITALICOでは「数値や利益はよりよいサービスを届け、多くの方にそれを届けるために大切な側面もある。一方で、浮き沈みのある中でも常にどうやったらうまくいくかを考え続け、改善のために努力する姿勢を大切にしている」という考え方だと面接の中で教えていただき、ビジョンだけでなくサービスの届け方に対しても納得感強く入社することができました。
人の「変化や成長」を楽しめるのがサビ管としての醍醐味。
ー サービス管理責任者の仕事の中でもやりがいを感じるのはどんな部分ですか?
現在も力を入れて取り組んでいる業務のひとつですが、サビ管として「スタッフの育成」に今後も関わり続けたいと考えています。日々、利用者さんに限らず、スタッフも含めた人の「変化・成長を実感できる」というのが、私自身が感じる今の仕事のやりがいであり、楽しみの一つでもあるなと実感しています。
私は就職に関する支援においても、人材育成の観点においても、「本人自身よりも、諦めない」というのを信条としています。というのも、利用者さんであれば、障害を理由に「〇〇をやりたい」といった思いがあっても最初から諦めてしまっている場面がとても多いんです。そういった場合には、どうやったらできるか、どんな手段があるかを可能な限り一緒に考え、伴走することを大切にしています。
ー 入社してからの働き方や会社の制度についてはどう感じていますか?
一般的な福祉施設においては、人材評価の業務や施設管理に関する部分が自転車操業のようになりがちなところです。コンプライアンスよりも支援への比重が非常に高すぎるケースもあると思うのですが、LITALICOでは、そこのバランスが「中立」だと感じます。
必要な報連相は包み隠さず行いつつ、常に前に進み続けるという意味で「クリーンファイト」というコンセプトを掲げているのですが、管理部門とも連携しながらコンプライアンスをしっかりと遵守し、安心して業務に取り組めています。
ー 社内でのチームとしての連携はどのように感じていますか?
全国にサビ管がいることで情報共有が活発なのも特徴だと感じています。困難ケースやセンターの中で悩むことがあれば他のエリアのサビ管に助けを求めることもできます。
様々な業種・業種を経験してきた仲間と働いているのですが、皆さんとにかく魅力的だなと感じます。同じ業界出身の人が固まってしまうと、どうしても右向け右、といった風土になりがちなのですが、ここでは得意なものも違えば、使う言語も全く違うので、新しい価値観に触れるたび新鮮な気持ちになれます。
また、医療・福祉に長く従事しているがために、盲点となりがちな部分に気づいてもらえる場面もあります。他業界から転職してきたスタッフから、利用者さんに関して話し合っている中で「それって、課題ではなく強みではないでしょうか?」と意見をくれた方もいました。皆さんのおかげで、自分自身の偏見や先入観を見つめなおせすこともできているなと感じます。
一つひとつの積み重ねで、社会を変える
自身の仕事によってどう社会が変わっているかを考えるとき、関口さんは障害への認識の変化などを長いスパンで捉えると違った見え方ができるといいます。
正直目の前の業務だけをみると、ものすごく大きな社会の変化を感じることは難しいですが、5年くらいのスパンで考えると、間違いなく障害のある方やその雇用に関する理解は「前よりも進んだ」と感じます。
雇用に前向きな企業さんが増えましたし、利用者さんの初回面談をしていると、ひと昔前であれば福祉に辿り着かず、支援の手が行き届かなかったような方が来てくれるシーンも増えました。
障害があることを周囲にオープンにすることは恥ずかしいことではない、と思える人が世の中に増えたことで、社会全体の認識や意識が変わったのだと思います。
また、私の担当でLITALICOワークス経由で、とある企業の障害者雇用の枠で1人目として入社された方がいます。その方の頑張りもあってか、その後企業が雇用に前向きになってくださり、2人目以降の雇用につながっていった例もありました。こういった場面は本当に嬉しい瞬間で、私たちが地道に積み重ねてきた努力の一つが実を結んだ証だなと感じることができます。
自社サービス連携と、地域連携で福祉をよりよく
ー 今後の展望や、チャレンジしてみたいことはありますか?
先日、LITALICOライフ https://litalico-life.co.jp/ のスタッフと話す機会があり、自社の対象としている方が子どもから高齢の方に対して提供できるサービスが非常に幅広いと改めて実感しました。ワークスが行っている就職の段階のサポートだけではなく、お子さんの発達相談や進路のこと、保険のこと、自己資産の運用の仕方など、様々な相談できる窓口がLITALICOにはあります。
さらに、今後は地域の関係機関の方々にLITALICOのサービスや取り組みをさらに認知してもらい、どんどんワークス以外の窓口にも繋げていきたいです。結果として、センターからの発信で地域に対して会社ができること、貢献できることを増やしていけるといいなと思います。
ー LITALICOに入社を考えている方へメッセージをお願いします
もし、自分の福祉業界や社会課題に対する想いが強く、もっと周囲と語り合ったり、よりよくするためにどうしたらいいのかを一緒に考えられる環境を求めている方がいたら、ぜひLITALICOに応募して欲しいです。ここには、一緒にできることを真剣に考えてくれる仲間が身近にいます。