臨床心理士・公認心理師、理学療法士、作業療法士の私たち。発達支援ならではの仕事のやりがいとは?
セラピスト資格のあるLITALICOジュニア社員へのインタビュー
対人支援職
(左)坂元(さかもと)
目白大学大学院臨床心理学科卒。臨床心理士・公認心理師。大学卒業後、新卒で葛飾区こども家庭支援課に配属。発達の幼稚園・保育園の巡回訪問と5歳児を担当。2019年 LITALICOジュニア中途入社。
(中央)後藤(ごとう)
東京工科大学医療保健学部卒。理学療法士。大学卒業後、新卒で神奈川県の療育センターに入社。2018年 LITALICOジュニア中途入社。現在はLITALICOジュニア東京エリアで3教室の教室長を兼務。
(右)大岡(おおおか)
長崎大学医学部保卒。作業療法士。作業療法士の資格取得後、2年間 アフリカにて特別支援学校の教員として活動。帰国後、2019年新卒としてLITALICOジュニアへ。
個だけではなく環境にもアプローチする。 LITALICOの支援に共感し、転職を決意。
ー皆さんは、なぜLITALICOへの就職・転職を決めたのですか?
坂元:きっかけは、同じ心理職の知人の紹介です。知人は既にLITALICOジュニアで働いていて、一度教室見学させてもらったんです。もともと「発達障害グレーゾーンの子どもたちは、なんでこんなに怒られないといけないんだろう」と難しさを感じてモヤモヤしていたこともあり、個別支援に注力している点に惹かれて、転職を決めました。
後藤:僕はもともと療育センターで働いていたのですが、LITALICOは1対1の支援だけでなく環境へのアプローチをしていたり、メディアを通じて間接支援をしていたりと幅広い事業展開をしている点に惹かれて転職を決めました。
大岡:私は2019年に新卒としてLITALICOに入社しました。大学の教授に進路の相談をした時「LITALICOは子どもの発達支援分野(LITALICOジュニア)だけでなくて就労分野(LITALICOワークス)にも事業展開しているから、やりたいことが変わったら異動もできるんじゃない?」と勧められたのがきっかけですね。
ー民間企業への就職・転職に対して、不安を感じることはありませんでしたか?
大岡:はじめは自身のスキルや経験が不足しているのではないか…と不安な気持ちで応募しました。
しかし、選考の過程でさまざまな社員と接する中で、社風や職場の雰囲気から「きっと楽しく働けるだろう」と思うことができました。見通しをもって育成をしてもらうこともできたので、ひとつずつできる業務が増えていく感覚があり、楽しみながらキャッチアップすることができました。
ー前職とLITALICOジュニアでは、どのような違いがありますか?
坂元:役職や年次による上下関係があまりない印象があります。
少し前は、新卒1年目の社員が同じチームで働くスタッフたちにコンプライアンスに関する研修を実施してくれました。年次によらず、自由に意見やアイディアを出せる社風があると感じています。
後藤:LITALICOジュニアは、スタッフ一人ひとりに担当のお子さまがいるというわけではありません。
1教室あたり7~8名のスタッフたちが、60~80名程度のお子さま全員を担当するんです。スタッフ全員でお子さまたちを支援していくので、チームワークが求められる職場だと思います。
そんな背景があって、役職や年次を問わずスタッフ一人ひとりの意見やアイディアが尊重されるんだと思います。
坂元:コミュニケーションについても、あるスタッフに、できないことやうまくいかないことがあった時にその人のスキルを問題にして「なぜできないの?」と否定的に捉えるのではなく、「どうしたらできるようになるか?」という観点で考えるようにしているのですが、これはLITALICOならではの文化かもしれません。
後藤:私たちは「学び手は常に正しい」という考えのもと、日々支援をしています。うまくいかないなら、より良い方法を考えてトライする。そういった考えや関わり方を、対お子さまだけでなく、スタッフ同士のコミュニケーションにも活用しています。より良い方法を考えてトライする、という文化がありますよね。
行動ベースの目標をもとに、子どもの「できた!」を一緒につくれる仕事。
ーお仕事の内容について具体的に教えてください
後藤:指導員にとってのメイン業務は、お子さまへの支援です。
未就園・未就学児の場合は45分授業、学齢期の場合は50分授業を提供します。授業は指導員一人につき一日あたり2~4コマ程度実施しています。LITALICOジュニアではお子さまの支援以外にも環境面(保護者連携や園・学校連携)にも注力しているので、園・学校に訪問する日もありますよ。
大岡:まずは、
(1)お子さま一人ひとりに合った個別支援計画を策定し、次に
(2)支援計画に記載されている目標を達成するためのプログラムシートを準備します。
お子さまの個別支援計画は6か月ごとに更新され、「ちょうだいと言えるようになる」「順番を待てるようになる」といった、行動をベースにした目標が立てられます。
(3)指導に必要な教材やおもちゃを準備して
(4)指導を実施します。
(5)指導後は、保護者さまに毎回授業の振り返りを5分間で行います。
(6)指導後は300字程度でPCに指導記録を入力し、次回の指導に繋げます。
坂元:お子さまの「できた!」にたくさん立ち会えるので、やりがいを感じながら仕事しています。
保護者さまや園・学校の先生と連携をとる中で、LITALICOジュニアでできたことがご家庭や園・学校でもできたと聞けた時は、とても嬉しい気持ちになりますね。
様々な場面で、それぞれの専門知識を活かしてチームで支援する。
ー心理職やPT・OTならではの知識を活かせたと感じるのはどんな時ですか?
坂元:個別支援計画を策定する際、LITALICOジュニアでは必ずアセスメントを行います。
お子さまの行動を観察したり、保護者さまからヒアリングを通じてアセスメントしていくんですね。アセスメントをする時、心理職として検診での行動観察や、発達検査の結果が活かされているなと感じることがよくあります。
大岡:私は作業療法士の観点からお子さまの視点を分析することがあります。例えば、感覚の特性や手の発達等の要因で、字を書くことに苦手さのあるお子さまがいらっしゃいました。
ホワイトボードや机といったつるつるした素材に書くと感覚を感じづらく「うまく書けない」と言っていたお子さまに、ざらざらした素材の下敷きを使って紙に字を書いてもらったんです。すると、ざらざらとした感覚が感じられて曲線や波線がうまく書けるようになって。
結果的に、そのお子さまは字を書くことに対する苦手意識が少なくなったんですね。作業療法士ならではの視点を活かせたな、と思えたひとつの支援でした。
後藤:LITALICOジュニアには様々な資格・経験のある指導員が働いています。
PT・OT・ST、心理職のほか、保育士や教員免許保持者、社会福祉士、精神保健福祉士など。
なかには有資格者だけど新卒入社されていて、業務自体は未経験という方もいらっしゃいます。
様々なバックグラウンドの指導員が集まるなか、たとえ小児や児童福祉分野未経験のPT・OT・STや心理職が新しくチームに加わったとしても、それぞれの専門的な観点からお子さまの支援について一緒に考えられるというのは、LITALICOジュニアならではの強みだと思います。
チームで連携してお子さまの支援をすることで、困りのあるお子さまやそのご家族を解決に導けたら、と考えています。