2026.03.03

イベントレポート:臨床心理士の資格を持つマーケティングマネージャー。未経験のビジネスへの挑戦と「意地」になれる仕事選び

ビジネス職

新卒

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本記事では、2026卒の学生向けに開催したLITALICOトークイベントの内容をレポートとしてお届けします。(開催日:2025年12月2日) 登壇者は、LITALICOキャリア部マーケティンググループのマネージャーを務める松石(まついし)です。大学院で心理学を学び、臨床心理士としてキャリアをスタートさせた彼女が、未経験のビジネス職へ転身し、なぜLITALICOを選んだのでしょうか。その経緯や、会社選びの軸について語りました。 「やりたいことがまだ分からない」「自信が持てない」など今後のキャリア選択に迷いを感じている方や、自分らしい働き方を模索している方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。

登壇者紹介

株式会社LITALICO キャリア部 マーケティンググループ マネージャー 松石

九州大学大学院にて心理学を専攻し、臨床心理士・公認心理師の資格を取得。新卒で教育機関等のカウンセラーとして3年間勤務した後、ビジネスを通じた課題解決を志しLITALICOへ入社。新規事業の立ち上げ、カスタマーサクセスなどを経て、入社4年目でマーケティンググループのマネージャーに着任。現在は「LITALICOキャリア(https://litalico-c.jp/)」のマーケティング全般を統括している。

「支援者側がなぜ悩むのか」キャリアの原点と専門職としての葛藤

イベントの冒頭、松石は心理職を志した背景について語りました。

「私が学生の頃、母がパートで支援職に就いていた時期がありました。当時、母が仕事や職場のことで悩んでいる姿を見て、『困っている人をサポートする仕事なのに、どうして支援者側が迷ったり悩んだりしてしまうんだろう?』と疑問を持ったことが原点です。そこから、支援職の専門的な知識を学びたいと思い、心理学部に進み、臨床心理士の資格を取得しました」



大学院修了後は、臨床心理士として教育機関などの相談室でカウンセラーとして勤務。希望していた心理職を選んだ松石でしたが、働き始めて3年が経つ頃、新たな葛藤に直面しました。

「新卒1年目の末頃、ちょうどコロナ禍に突入し、対面での支援が難しくなりました。既存の支援方法を一新したり、自身の働き方も大きく変更せざる得ない状況の中で、『支援職の労働環境をより良くしたい』『もっと業務改善できる部分があるのでは』と感じる場面が多く出てきました。しかし、公的な機関や既存の枠組みの中では、意思決定に時間がかかり、変化を起こすのが難しいという現実があったんです」

心理職としてのやりがいを感じる一方で、支援を取り巻く環境そのものを変えることの難しさを感じ、松石は少しずつ、ビジネスの可能性へと気持ちが向いていきます。

「支援者に向けて、国や政治からのアプローチも大事ですが、『変化を起こすには前例が必要であり、ビジネスこそが一番最初に前例を作れるのではないか』そう感じるようになったんです。未経験だけど、ビジネスの世界に飛び込んでみたい。そんな想いが強くなり、転職を決意しました」

未経験からの挑戦。LITALICOを選んだ3つの転職軸

そんな松石は、転職活動時、どのような軸で企業を選んだのでしょうか。

「私は新卒の時、一般的な就職活動をしていなかったので、27歳で未経験のビジネス職へ転職する際は非常に悩みました。 その時に考えた、私なりの『会社選びの軸』をご紹介します。ポジティブな夢だけでなく、『自分が無理なく続けられるか』という視点も大切にしました」



導き出したのは、「興味関心をもてるか」「やりきれるか」「継続性があるか」の3軸でした。

1. 興味関心を持てるか


「興味は移ろうものですが、『自分が何に対して感情が動くか』は変わりにくいです。私は『ビジネススキルが上がること』にときめきを感じていました。昔からゲームなどでも攻撃力が上がるのが好きで(笑)。ビジネスにおける攻撃力、つまり自分のスキルやできることが増えていく感覚があれば、どんな環境でも楽しめると思いました」

2. やりきれるか


「1日8時間、週5日。それを続けられるかという現実的な視点です。私は学生時代からバーテンダーのアルバイトなどで人と話すことが苦ではなかったので、『人に関わること』なら続けられると判断しました」

3. 継続性があるか(意地になれるか)


「これが一番重要かもしれません。仕事は辛いこともあります。そんな時、何なら投げ出さずに『意地』でも頑張れるか。私にとっては、それが『支援者に関わること』でした。原体験があるからこそ、ここだけは譲れないと思えたのです」



ビジネスパーソンとしての強さを身につけたいという向上心と、福祉領域への揺るがない想い。その両方を満たす場所として出会ったのが、LITALICOでした。

「LITALICOは、社会課題の解決(利他)と事業の持続可能性(利己)の両立を掲げています。ここなら、私の『支援者へ関わること』と、『攻撃力をあげること』の双方が叶えられると思いました。面接で出会う社員たちが、ビジョンに対して同じ方向を向き、熱量を持って働いている姿を見て『ここなら、周りとの温度差で孤独を感じることもない』と思えたのも大きな決め手でしたね」

「LITALICOキャリア」マーケティングマネージャーの業務

現在、松石はキャリア部でマーケティンググループの責任者を務めています。 このLITALICOキャリア事業が向き合っているのは、福祉業界における深刻な「人材不足」という課題です。



LITALICOキャリアとは、求人媒体や人材紹介サービスを通じて、福祉施設と求職者の最適なマッチングを支援する事業です。

「福祉の事業所はコンビニの数よりも多いと言われています。ニーズは爆発的に増えているのに、働く人が足りていない。しかも、専門性が高いため参入障壁が高く、人間関係の悩みなどで離職も多い業界です」

その中で、福祉業界で働いている人や、これから働きたい人にサービスのことを知ってもらうのがマーケティンググループの役割です。



そして、マーケティングの仕事は、単なる集客にとどまらないと松石は語ります。

「マーケティングとは、『誰に、何を、どのように提供して利益を上げるか』を考える仕事です。Web広告やサイト改善で人を集めるだけでなく、そもそも『どんな人に届けるべきか』という市場調査から、営業チームがいかに成約しやすくなるかの動線設計、そして投下した予算が適正かどうかの投資判断まで担います」





特にLITALICOのような社会課題へまっすぐ取り組む事業においては、「売上」と「貢献」の両立が求められます。

「福祉業界は構造的に、高い収益性を確保することが容易ではありません。その中で、しっかりと利益を生み出し、持続可能な事業にしていくことは非常に難しい挑戦です。でも、だからこそ面白い。『一瞬の転職』をサポートするだけでなく、支援者の方が長く生き生きと働き続けられる社会を作る。それが私たちマーケティングが目指す成果です」

マーケティングマネージャーの1日


では、松石はどのようなスケジュールで日々の業務に取り組んでいるのでしょうか。



出社してすぐに前日の集客状況をモニタリングし、数字に異常がないか、目標に対してどう推移しているかを把握します。そして、そのデータを元にチームメンバーとの朝会へ臨みます。

「マーケティングにおいて、『昨日何人のユーザーを集められたか』は非常に重要な指標です。だからこそ、毎朝チームのみんなで顔を合わせて『昨日の結果はどうだったか?』と振り返りを行う時間を大切にしています。数字を見ながら、うまくいった施策や課題点をその場ですり合わせて、次にやるべきことを確認しています」

朝会を終えた後は、関係部署との連携や実務の時間になります。特に、Webサイトやシステムの改善を担うエンジニアとのコミュニケーションは欠かせません。

「ただデスクで作業をするだけでなく、頻繁に関係部署のエンジニアさんと喋っていますね。サイトの挙動を確認したり、新しい施策の実装について相談したり。マーケティングは動けば動くほど広告費などのお金がかかる部署でもあるので、投下した費用に対して適切な効果が出ているか、データを見ながらシビアに判断し、修正を繰り返しています」

データのモニタリング、クリエイティブの作成、他部署との調整、そしてマネジメント業務。常に「数字」と「人」の両方に向き合いながら、スピード感を持って進んでいきます。

完璧主義は捨てる。「力をつけるサイクル」とは

入社後、松石は事業の立ち上げ、カスタマーサクセスと部署を横断し、4年目でマネージャーへと抜擢されました。 順風満帆なキャリアに見えますが、その裏にはさまざまな葛藤がありました。

「私はもともと、ネガティブで完璧主義な性格なんです。でも、ビジネスの世界、特に立ち上げ期の事業では変化が激しく、最初から100点を出すことは不可能です。そこで悩んだ私は、自分の意識を変えました。『計画された偶発性(Planned Happenstance)』という理論があるのですが、チャンスは待つものではなく、行動することで引き寄せるものだと考え、偶然を引き寄せることにつながる行動を起こすことに焦点を当てることにしました」

「計画された偶発性(Planned Happenstance)」とは、キャリアの多くは偶然によって決まりますが、その偶然をチャンスに変え、良い偶然を引き寄せることが大切だという考え方です。



「それから、マネージャーになった時、私はマーケティング未経験でした。当然、部下のほうが知識が豊富ということもあります。だからこそ、『かっこいい上司』になろうとするのをやめました。自分の考えをオープンにし、『ここが分からないから教えてほしい』『フィードバックがほしい』と、仲間に背中を預けることにしたんです」

一人で抱え込まず、周囲を巻き込みながら「間違わないための判断」は仲間に相談し、「とにかくやってみる」部分は自分が先頭を走る。このバランス感覚こそが、若くしてリーダーを任される彼女の強みです。



「完璧を目指して止まってしまうより、あちこち手をつけて失敗しながら修正する方が、結果的によりスピーディに力をつけることができます。LITALICOには、そんな挑戦を受け入れ、ビジョンに向かって一緒に走ってくれる仲間が沢山いました」

参加した学生へのメッセージ

最後に、松石から学生の皆さんへメッセージが贈られました。



「もし今、『やりたいことが見つからない』『キャリアが見えない』と悩んでいる方がいたら、焦らなくて大丈夫です。『目の前のことを突き詰めていけば道は開ける』ということを伝えたい。 どんな状況も前向きに捉えつつ、たまには落ち込んでも大丈夫です。無理をせず、自分なりの納得感を持って就職活動を進めてくださいね」

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