VOL.1
学術研究と当事者2万人のフィールドをつなげる、
社会課題の「知」のプラットフォームへ

  • アカデミックと教育現場をつなげたいという思いが形に
  • 研究成果をサービスの改善につなげる
  • 「障害のない社会をつくる」を社会全体のビジョンへ

STORY

教育の実践現場にアカデミックの力を、実践から新しい研究の学びを

「この事業に研究所が必要だと、入社3週間で提案しました」
そう語る野口は、2012年にアルバイトとしてLITALICOへ入社。博士課程に籍を置きながら、教育部門の執行役員としてLITALICOジュニア事業全体をスーパーバイズしている。発達障害児支援分野は、まだまだ知見や手法も発展途上である一方、学術研究では実践実証の場を必要としており、LITALICOとアカデミックをつなげる部門をつくりたいという思いからだった。

「今、LITALICOジュニアには発達に何かしらの課題があるお子さんが8,000人通っていて、これだけ多くの当事者の方々に働きかけることができるフィールドは、世界的にも希少なんです」(野口)

「教育や福祉の分野は資金不足もあり、しっかりと裏付けを持って取り組めるプレーヤーがまだ少ない状況です。学術研究と実践を結ぶことで、この分野全体がより良くなるような働きができればと思っています」(深澤)

ニーズを即座に把握し、研究成果を実践に還元・発信できる仕組み作り

社会課題に関する「知のプラットフォーム」をつくる。研究所所長(アドバイザー)に就任した鳥取大学大学院の井上教授は、「数千人単位のニーズが即座に把握でき、研究成果がLITALICOジュニアやワンダー、ワークスの実践に即座に還元できる仕組みが重要だ。そして、その成果を社会全体に向けて提言できる仕組みを作りたい」と語る。

「井上先生には以前からLITALICOジュニアについて相談させてもらい、サービスの質向上に力を貸していただいていました。そんな井上先生に、研究所の所長に就任いただくことが決まった時は、本当にうれしかった!」(野口)

社内外の研究資源があつまり、LITALICO研究所をスタート

初年度の研究テーマは、
・「ペアレントサポート」プログラム効果検証
・教育における合理的配慮の事例研究
・「レジリエンス」向上プログラムの開発・効果検証
・精神障害者における自殺リスク因子の抽出

LITALICO研究所のサイトより募集したサポート研究員は2週間で100名を超えた。それぞれの分野のスペシャリストや当事者も含めた研究コミュニティは現在400名、ビジョンを共有し、研究発表なども積極的に行っている。

「LITALICO研究所は、多くの専属の研究員のいる大学や大企業の研究所とは違って、普段は現場で仕事をしている問題意識の高い人たち参画する草野球チームのようなところ。しかし、発足して1年余りでその活動は国内学会での発表はもちろん、学術誌への研究論文執筆、国際学会での発表などメンバーの力と士気は高い。LITALICO研究所はプロを打ち負かす最強チームを目指しています」(井上)

研究成果の事業化第一弾は「ペアレントトレーニング」

井上先生が鳥取大学で取り組まれていた親向けのプログラムの短縮版をLITALICOジュニアで実証研究。LITALICOジュニアに通う保護者がプログラムも受講して、どのような効果・メリットがあるかを明らかにすること。80名の受講者と非受講者の受講前後の変化を比較・分析した結果、「育児ストレスの低下」「養育態度の変化」を、統計的に確認することができた。
その成果をもとに2016年より「ペアレントトレーニング」を事業化。開始1年で1100名以上の保護者が受講している。

LITALICO研究所初の学会発表

2016年10月に行われた学会で今回の「ペアレントトレーニング」の研究内容・結果について発表を行った。研究所として初めて学会発表、準備期間は約2ヶ月間。通常業務も行いながらの準備のため、夜遅くまで作業することもあった。発表を無事終え、ポジティブな意見やアドバイスをもらうことができ、今後の課題も見えてきた。

「準備は本当に大変で、前日の夜ギリギリまで井上先生にホテルでチェックしてもらっていたのをすごく覚えています。でも、会社外の方の意見を聴けたので貴重な経験で、次の研究も頑張ろうって思えました。」(榎本)

「障害のない社会をつくる」ビジョンに、まっすぐに向き合っていく

LITALICO研究所では、研究結果をもとに支援の現場で実践するほか、一般に向けた発信、政策提言も行い、研究成果を社会に還元していくという大きなサイクルをつくっていきたいと考えている。

さらに研究に関心のある社内有志を募り、研究を行う手法や研究論理を学び研究活動のための基礎的能力の獲得を目指した「LITALICO研究所ゼミ」もスタートさせた。分野を越え、多様な専門性を持つ研究員が集まっているからこそ、これまでにない発想で成果を生み出すことができる。一人ひとりが抱える困難に応えられる知のプラットフォームを目指して、LITALICO研究所の挑戦は始まったばかりだ。

「LITALICO研究所の活動はまだ始まったばかり。目の前の方の支援から社会全体がどうあるべきかまで、様々な視点を持ちながらビジョン実現に向けて一緒に全力を尽くせる仲間にもっともっと集まってほしいですね。」(深澤)

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