2022.12.28

成長実感を得ながら、個別最適なキャリア選択ができる研修/育成体制とは?

LITALICOジュニアのHRマネージャーへインタビュー

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LITALICOジュニアでは、社員が安心して活躍できるよう研修・育成・評価に関するプログラムを事業部独自に設計しています。
事業立ち上げ以降、全国150拠点以上にまで成長した児童発達支援・放課後等デイサービスを支える研修プログラムには、どんな背景や思いがあるのでしょうか。
今回は新卒入社10年目となるLITALICOジュニアの事業部人事(以下、HR)マネージャー 吉田さん(以下、吉田)に採用担当が詳しく話を伺いました。

※研修の内容や制度は2022年12月現在のものです

LITALICOジュニア HR マネージャー 吉田プロフィール

2012年4月に新卒で入社。LITALICOジュニアの児童発達支援事業所・学習教室にて0歳~18歳のお子さまの指導を担当しながら、指導員の育成・研修実施等に従事。2017年からおよそ1年間の産休育休を取得し、復職。その後、LITALICOジュニアで使用する教材・サービスの開発をおこなう部署にてマネージャーを担当。現在はクオリティマネジメント室とHRラーニングサポートグループを兼務し、教材や支援システムの設計と、LITALICOジュニア指導員の育成研修の企画・実施および人事制度の設計・運用等を担当。

▼吉田の入社ストーリーはこちら!
https://www.wantedly.com/companies/litalico-co/post_articles/337835

聴講とOJTを交互に。研修が支える新入社員の6か月間

ー 本日は研修の具体的な内容に加え、その設計の背景にある思いについても詳しくお話を伺えたらと思います。まずは、LITALICOジュニア(児童発達支援/放課後等デイサービス)に入社した方が受ける研修について全体像を教えてください。

入社した皆さんに対して、新卒/中途をとわず半年間の研修期間を設けています。

▼研修の概要


(吉田)最初のプレステージ(PS)研修は、5日間の講義と現場でのOJTを交互に行う形式で、トータル約1か月間かけておこないます。理念・ビジョンの理解のほか、事業部全体で使っている共通言語、授業準備や指導計画の作成、記録・報告などの手法やフレームワークを中心に覚えていただきます。
一度の聴講のみの座学研修だけで全てを受け取ってもらうのは社員の負担が大きいため、教室の実務に入りながらも研修を受け続ける、より連続性を意識した設計になっています。育成側の負担も考慮しており、研修が終わったらまるっと教室に任せる、といった事態は防ぎたいなと。
現場のOJTだけでは浸透するのに時間を要しやすいコンテンツを、重点的に1か月・3か月・6か月目の研修でフォローアップするようにしています。

ー新入社員の中には過去にお子さまを対象とした支援経験がない方もいると思うのですが、未経験でも活躍できるよう設計されているのでしょうか?

(吉田)教室や人によって、お子さまに届ける支援の「質」に差が出ないようにすることを大切にしており、支援のプランニングや実践の場で特定のフレームワークを用いるようにしています。

▼LITALICOジュニアの考え方※サービスサイトより


研修で用いるフレームワーク自体は、心理学(応用行動分析学)などの専門的観点に基づいて作成しています。現場で経験を積んだ保育士さんや、医療現場で支援経験のある理学療法士さんなど、様々な方にご入社いただいていますが、これまでのご経験とLITALICOジュニアで用いるフレームワークを結びつけてご理解いただくことに、はじめは戸惑う様子も時折見受けられます。

こういった戸惑いを少しでも解消するためにも、教室でのOJTと研修受講を行ったり来たりする設計を重んじているんですね。座学聴講だけにせず、ロールプレイや現場でのお子さまとの関わりを通じたアウトプットをセットにすることで経験学習のサイクルが繰り返され、初めての方でも自社のフレームワークが浸透しやすくなると考えています。

第三者への相談体制も充実。成長の実感をもちながら前に進めます。

ー 研修全体で特に大切にされている考え方はどんなものでしょうか?

(吉田)受講者が「自分はここまでできるようになったな」と実感しながら前に進んでもらうことは特に重視していますね。知識ばかり詰め込み、頭でっかちになるのではなく「今の自分はここまではできるようになったな。この部分はまだ難しいな。」といったように、常に自分の状態を確認しながら次のステップへ進んで行けるようにしています。

例えば、「6か月目標設定シート」というスキルアップの進捗度合を確認できるチェックシートを用いています。このシートのチェック項目を、人事評価制度に基づく抽象的なスキルではなく、より教室内の実務を想定しやすい具体項目を中心とした設計に見直しました。

定期的に自分自身でもシートを確認し、先輩社員とも一緒に振り返ることで、ステップごとの進捗が分かりやすくなり、「前回よりもこんなにできることがが増えた!」という成長実感を持ってもらいやすくなったかなと。

ー 支援での考え方と同じく、社員に対しても「できた!」という実感を増やしていく仕掛けなんですね。研修が終わった後にも人事からのフォローアップ体制はあるのでしょうか?

(吉田)業務経験をつみながら学習を続けてもらう仕組みとして、「リフレクトル」という遠隔のフィードバックシステムを導入しています。自分で授業の様子を録画し動画で後からチェックできるほか、教室外の育成者からもフィードバックを貰えます。
次の頑張りポイントを第三者とともに見つけながら前に進むことができるほか、新入社員と先輩社員で都度授業に陪席する調整が不要になるため、どちらにとっても効率的な時間の使い方ができるメリットがあります。

また、「チューター」という役割の育成担当者が新人さんのOJTやオンボーディングを担っているほか、「バディ制度」も設けており、教室外の先輩社員と新人社員をつないで何でも悩みを相談できるようになっています。

常に教室内外から客観的なフィードバックを貰ったり相談ができる環境をつくり、研修が終わっても教室や個人がそれぞれの持ち場で孤軍奮闘することがないように工夫しています。
このほかにも、研修期間中は定期的に少人数でのグループ面談もおこない、個人の心身のコンディションや、研修の理解度についてもアンケートで回答してもらい、「慣れるのに少し時間がかかっていそうだな…」という状況があれば早期にキャッチできるとのこと。

HRから教室側へのフォローを依頼する場合もあれば、新入社員本人から人事面談の希望も気軽にあげられるようになっており、離れていると見えにくい社員一人ひとりの状況把握ができるようになっています。スキルの獲得状況だけでなく、マインド面へのケアも徹底しています。

▼社員からの声




ー このように指導員が提供するサービスの質をしっかりと担保するフレームワーク等の活用に力を入れる一方、社員がはらたきながら安心感を持てる仕組みも充実しています。
さらに、もっと学びたい、成長したいという思いに応えるため、社員一人ひとりの「違い」に着目した制度もあるようです。研修の後のキャリアや学びに関する制度設計についても、詳しく伺いました。

社員一人ひとりが、好きな進路や学びを選択できる。

ー ジュニア独自で設けている職能別のコース設計について詳しく教えてください。

(吉田)将来的にどういうキャリアを歩みたいかは人によって考え方も願いも違う、という考え方のもとLITALICOジュニアでは、職能別のコース制をとっています。

▼コース制の例


人員管理を行いやすいように、年功的序列やジョブローテーションなどの配置転換を前提とした画一的なキャリアパスを設計する企業もあると思います。でも、LITALICOジュニアではいろんな想いのスタッフがいて、活躍できるパターンも人それぞれであるという考えに沿って、自己決定しやすいキャリアパス設計を大切にしています。

例えば、マネージャーや教室長などのいわゆる管理職ではなく、指導員としてよりお子さまへの支援の質を高めたい方向けの「専任指導員コース」を用意しています。逆に、最近では教室長やチューターとしてもっと早くから活躍したい!というニーズにも応えるべく、飛び級制度として「ファストパス制度」も始めました。一律に同じ時期の昇給・昇進とせず、強い意気込みがあり早い時期から役職につきたい方のニーズにも応えたいなと。

教室のリーダー的なポジションも、児童発達管理責任者のほかに、教室長、チューター(育成担当)の3名を配置するようにしているんですね。教室内だけで解決できない事例があれば、SV(スーパーバイザー)やサポート室などのフォローも入ります。教室の運営も、社員の育成も、トップが一人ですべてを担うことはなく、チームで教室運営ができる体制は自社ならではの特徴かもしれません。

ー 社員同士で好きなテーマで学びを深められる取り組みもはじまったそうですね。

(吉田)「ジュニア大学」という仕組みを今年から作りました。事業部全体で、皆さんが長く安心してはたらけるよう、学びたいときに学びやすい状態を目指しています。

▼ジュニア大学の概要


例えば、ゼミ制度。大学のゼミのイメージで、月に1~2回ゼミ生同士でテーマに沿った情報を持ち寄って学びあう仕組みで、教室の垣根を越えてメンバーが集まり調査・発表・議論などをおこなっています。コミュニケーション、リーダーシップ、業務効率化、ヨガなどテーマは様々です。「支援のヒント集」というテーマをゼミで検討し、全体に発信したゼミもありましたね。

また、e-ラーニングシステムで研修動画を全て格納し、いつでも好きな時に過去に学んだ情報が見れるようなカリキュラムの体制も設けています。

それ以外にも、エリアごとにも研修・勉強会が盛んに企画されていますし、先ほどのコース別にキャリアを進んだ先輩の話や、訪問支援先の方のインタビューと事業部全体に発信する、といった社内報発信の取り組みもおこなっています。

ー 社員同士でも切磋琢磨できる環境があるのですね。最後に、LITALICOジュニアのこれからのチャレンジについても教えてください。

(吉田)LITALICOジュニアの事業立ち上げ当初からいる身としては、規模が大きくなったことはもちろんですが、当時と比べると研修や学びの制度が体系化されている状態であることは一番大きな変化だと思います。昔は特定の育成が上手な人がそれぞれの教室を回ればよかったんですが、やっぱりそれだと全国規模で展開するには限界がありますよね。
制度が整ってきたとはいえ、やはり物理的に距離が離れてしまったり、時間の経過とともに理念・ビジョンへの共感や思いが希薄になる可能性もあります。もっと社員間の交流を促せるような仕組みや、e-ラーニングやテキストなども用いながら、しっかり情報を届けていけるように今後も工夫していきたいです。




ー 「自分がスキルの高い一人の”プロ”、になっても、関わることができるお子さまは限られた人数になってしまいます。研修を通じて多くの人が支援スキルを上げることで、より多くの子供たちによりよい支援が広まるようにしたい。同じようにお子さま視点で支援できる価値観をもった大人が多くいること、が大事。」
そういった考えのもと研修設計に取組む吉田さん。お子さまに届く支援を支える多くの社員が、さらにスキルアップして前に進んでいけるような環境づくりがさらに今後も進化していきそうです。

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