LITALICOが考える、社会の課題と具体的な解決へのアイデアをご紹介します。
障害のある方は日本に964万人いると言われています。そのうち、労働可能人口377万人のなかで働いている人はわずか14%、残りは働いてない状況があります。
障害のある方377万人のうち、就職者はわずか14% ※令和元年版 障害者白書,内閣府より 平成30年 障害者の就労支援対策の状況,厚生労働省より
未就労のうち、一部(約24万人)は福祉施設に通っていますが、月の平均収入が15,600円程度と生活していくには厳しい状況です。
私たちが考える重要な問題の一つは、働いていない大多数の方が社会と接点のない状態が長期化し悪循環に陥っていることです。就職したくてもできないことで自己肯定感が下がり、誰にも会いたくないという気持ちになり、積極的に外出をしなくなる場合もあります。そして、働くブランクが長期化、ますます就職できない状態に陥り、病状が悪化してる方も少なくありません。
外出したくない・ひきこもり→ブランクが長期化→就職できない→自己肯定感が下がる→…
例えば、うつ病を発症し、長年自宅でひきこもっていた方の場合。その方は生活リズムが悪く訓練中もすぐ寝てしまう方でしたが、ゲーム好きという個性を活かしてゲームソフト販売会社に就職。自信もつき、職場で友達もでき、外出することが多くなりました。しばらくたつと彼女もでき、彼女と一緒に住むという目標に向けてキャリアップを望み、さらに仕事を頑張るようになりました。
誰かに必要とされている実感を得ることで心が元気になり、心が元気になったことで、もっと良い人生を送りたいという意欲が芽生え、さらに仕事を頑張り、豊かな人生を手にしていく。働くことは、一人ひとりの人生の質を向上させてくれる一つの方法と言えます。
これまで税金によるサービスを受けていた方々が、納税者に変わるということも大きなことです。就職困難だと思われていた方の就労が可能になり、それによって税金が削減され、さらに納税者に変わる。経済的にも大きなインパクトがあります。
公費削減イメージ:障害者就労一人あたりに要する公費(概算)
LITALICOは、多様な人が自分らしく働ける社会の実現のため、働くことに困難を抱える方向けに就労支援サービスを全国106事業所で提供しています。その中で、特に就労困難とされていた精神疾患のある方の雇用も積極的に推進しています。
今後の課題としては、一人ひとりの固有の価値を発揮できる質の高い雇用を実現し、給料などの改善や、働くやりがいの向上などにも積極的に取り組み、多様な個性が活躍できる社会を築いていきたいと考えています。