LITALICOが考える、社会の課題と具体的な解決へのアイデアをご紹介します。
学び方は一人ひとり異なります。例えば直感で理解する人もいれば、時間をかけて深い理解に到達する人もいます。どちらが良いわけでなく、学習スタイルの違いです。学習方法も、先生に説明してもらうより、読書や図を見ながら理解する方が得意な子もいるでしょう。学習に集中できる環境も、狭くて静かな部屋や音楽を聞きながらなど様々です。誰もが異なる学習ニーズを持っており、一人ひとりにフィットする学習方法は違います。自分にフィットしない学習方法を続けていくと「分からない」「どうせできない」「つまらない」と、結果、勉強嫌いになったり、子どもたちの自己肯定感が低下したりする一つの要因になります。
学習面又は行動面で著しい困難を示す児童 6.5%
※「通常の学級に在籍する発達障害の可能性がある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について」平成24年12月5日,文部科学省より
全国の不登校児童数19万人
※「令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」より
文科省の調査によると、学習面または行動面で著しい困難を示す児童は6.5%、不登校19万人。
LITALICOでは、これらの課題に学校という教育のしくみだけで対処していくのは難しいと考えています。
LITALICOは地域に多様な教育資源をつくりだし、それぞれの資源が連携し合うことで、一人ひとりにあった学びが選択できる地域社会を共につくっていきます。例えば、学校の役割の一部を、地域にアウトソーシングしていく方法があります。IT授業などは専門の外部講師が、テストの作成や採点は学習塾が、学習障害のある子どもへの指導は専門家がサポート──。また、民間企業のeラーニングシステムで反復学習をしたり、大学と連携して科学の本格的な実験教室を開いたりなど、様々な教育資源が考えられます。
そうした地域の教育資源の一つとしてオープンした「LITALICOジュニア」は全国で111教室となりました。それぞれの地域で子ども一人ひとりにあった学習サービスと、家庭内や学校での最適な学習環境をつくるサポートを提供しています。
「5科目バランスよく習得する」ことも成長の一つの方向性ですが、子どもの興味関心・得意なことが伸びていく方向はさらに多様です。例えば、数学に秀でた才能がある子どもがどんどん先にレベルアップして学習できたり、宇宙に強い興味を持った子どもが宇宙航空研究開発機構JAXAの天文学実験に参加したり──。また、好きなゲームやアニメをもっと知りたいという気持ちから、多くの書籍を読み、結果的に国語力を身に付けることもあります。
さらに自分で作品を開発・創造し、ビジネスとして広げる経験ができ、社会での活躍に直接つながることもあります。
LITALICOでは2014年4月、プログラミングや3Dプリンターなどを活用した、最新のデジタルものづくりを学べる教室「LITALICOワンダー」を開設しました。子どもたちの心に火をつけ、子どもたちが本来持っている創造力や強みを伸ばす教育こそがイノベーティブな人材を輩出することにつながると考えています。
今の小学生のうち今存在しない仕事につく 65%
※「2011年度にアメリカの小学校に入学した小学生の65%は、大学卒業時には今は存在していない職に就くだろう」米デューク大学のCathy Davidsonさんの研究より。
過去20年を考えると、個性を活かした新しい職業が数多く誕生し、人々の多様なニーズを満たしてきました。子どもたちの持つ感覚や可能性を信じ、個性を伸ばす教育を推進することで、多様なライフスタイルの実現が加速し、本当の意味で個性を認め合う世界になると考えています。