ペアレントトレーニングの効果を実証

株式会社LITALICO(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:長谷川敦弥、証券コード:6187)内の教育と就労に関する社会課題解決に向けて調査研究を行う研究機関「LITALICO研究所」は、子どもの発達が気になる保護者に対して、家庭における子どもとの関わりを支援する「ペアレントトレーニング」プログラムの受講者を対象に、心理および行動面での変容を計測した効果検証を行い、受講者の育児ストレス低下の効果があることを実証しました。この研究成果は、第57回日本児童青年精神医学会(2016年10月27日~29日、岡山)・IMFAR2017(2017年5月10日~13日、サンフランシスコ)で発表されました。

■研究の背景
「ペアレントトレーニング」とは、親が子どもに応じた関わり方を身につけることで子どもの行動改善を目的とした、行動療法に基づくプログラムの総称を指します。日本では2014年から、国による発達障害児を持つ家族支援のメニューとして、各都道府県等での普及が位置づけられ、一部の自治体で導入が進んでいます。発達障がいと診断されていない段階から「ペアレントトレーニング」を提供する自治体も現れるなど、保護者が子育てを学ぶための手法として、注目が高まりつつあります。
今回の研究では、LITALICOジュニアでの通常の支援に組み合わせる形で行うことと、従来のペアレントトレーニングよりも回数を短縮したパッケージでの効果を検証することで、より多くの保護者が受けられる可能性を模索することを目的としました。

■研究結果
通常療育に加えて「ペアレントトレーニング」を受講した群と受講しなかった群を比較したところ、「ペアレントトレーニング」を受講した群では受講前と後で育児ストレスの尺度が有意に減少、さらに受講から2ヶ月経過後に行った調査でもさらにストレス尺度が減少していることが分かりました。また、抑うつ傾向の指標も実施前後で低下が見られたほか、子どもに対する「養育スタイル」でも「叱責」「対応の難しさ」の尺度が受講者は受講の前後で有意に減少しており、発達障害のある子どもを持つ保護者にとって、「ペアレントトレーニング」が子育てにもたらす効果が実証されました。

■業績
1, 村瀬裕美, 榎本大貴, 井上雅彦(2016).「発達障害のある子どもの親に対する鳥取大学方式ペアレントトレーニングの短縮版の効果-実施群と非実施群の比較分析-」 第57回日本児童青年精神医学会総会, 岡山, 2016年10月.
2, Masahiko, I., Daiki, E., & Hiromi, M. (2017). “The effectiveness of a Group Brief Parent Training for Parents with the Developmental Disorders” Paper presented at the annual meeting of the International Society for Autism Research, San Francisco, CA, USA, May 2017

【LITALICO研究所について】
LITALICO研究所は、LITALICOのこれまで多くの障害のある方を支援し蓄積してきたノウハウを科学的に検証、その成果を社会に発信し、業界全体の支援の質向上に貢献するとともに、研究成果を基に積極的に提言を行い、教育と就労における「障害のない社会」づくりを社会全体で推進していくことを目的に2015年9月に開設しました。所長(アドバイザー)として鳥取大学大学院教授の井上雅彦先生を迎え、社外の専門家・研究機関とも連携したオープンな研究機関として運営しています。詳細はhttp://litalico.co.jp/lab/をご覧ください。