~大半が日常生活に困難を感じる状況、支援体制の一層の充実が必要に~

「障害のない社会をつくる」というビジョンの下、障害者向け就労支援事業や子どもの可能性を拡げる教育事業を全国展開する株式会社LITALICO(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:長谷川敦弥、証券コード:6187)は、厚生労働省が定める「発達障害啓発週間」(4月2日~8日)を前に、発達障害の当事者や発達障害のある子どもの保護者に向けて、ご自身やお子様の発達障害に関する意識調査を実施いたしました。調査は、当社が運営する発達障害に関するポータルサイト「LITALICO発達ナビ」(https://h-navi.jp/)の会員へ協力を依頼し、当事者から101名、保護者から788名の回答を得ました。

【調査結果サマリー】
●当事者・保護者とも過半数が発達障害に対する社会への理解は「進んでいない」と回答、また当事者の約9割、保護者の約8割が発達障害に対する世間のイメージにギャップを「感じる」と回答
●当事者の約9割、保護者の8割以上が日常生活に困り感を抱える一方、周囲からのサポート・配慮が「ある」と感じるのは当事者で約4割、保護者で約6割。
●当事者の4割以上、保護者の6割以上が、自身や子どもの特性を「強みに感じたことがある」と回答

<調査対象について>
「LITALICO発達ナビ」会員へのメールから、アンケートフォームにて回答いただいた発達障害当事者:101名、発達障害の子どもをもつ保護者:788名の回答を集計しました。(調査期間:2017年3月7日~3月15日)
※調査結果の構成割合は四捨五入をしているため、合計が100 にならない場合があります。

【調査結果詳細】
【①発達障害に対する社会の「理解」「イメージ」への実感】
Q1

 

 

 

 

 

 

2016年は障害者差別解消法が施行され、これに伴い障害者雇用促進法が改正されました。また、発達障害者支援法も初めて改正されるなど、発達障害のある方を社会全体で支援する法制度は強化されています。しかし、発達障害の当事者や発達障害児を育てる保護者へ、発達障害に対する社会の理解が進んでいるかを尋ねたところ、当事者の約6割、保護者の約55%が「(あまり/全く)進んでいると感じない」と回答しており、いずれも過半数が社会の理解は依然として進んでいないと感じていることが分かりました。

Q2

 

 

 

 

 

また、発達障害に対して世間のイメージと実態へのギャップを当事者の9割弱、保護者の約8割が「(とても/やや)感じる」と回答しており、法整備が進むなかでも、社会の側の理解やイメージと、当事者や保護者の感じる実態との間に隔たりがあることが明らかになりました。

【②日常生活での「困り感」と周囲からのサポート・配慮】

Q3

 

 

 

 

Q4

 

 

 

 

 

 

 

 

発達障害の特性による日常生活における「困り感」について尋ねたところ、当事者の9割以上、保護者の8割以上が「(とても/やや)困っている」と回答していました。その一方、特性上の困難に対する周囲からのサポ―トや配慮の存在があると「(とても/やや)感じる」と回答したのは当事者では約4割に留まる一方、保護者では65%を超えていました。2005年に発達障害者支援法が施行されて以降、教育現場を中心に子どもの発達特性に配慮した対応が進みつつあることがうかがえますが、比較して、成人以降に発達障害と診断された方への配慮が進んでいない現状も明らかになりました。

【③「発達の特性」を強みに感じる場面も】

Q5

 

 

 

 

 

 

一方で、自身や子どもの発達の特性を強みに感じることがあるかを尋ねたところ、当事者の約4割、保護者の7割近くが「(よく/ときどき)感じる」と回答していました。どのような強みを感じるかをフリーアンサー形式で尋ねたところ、当事者・保護者の双方から「集中力」「記憶力」の高さや「独創的」「発想力」の豊かさ、「人に対する優しさ」「物怖じしない」など、多くの回答が寄せられました。

今回の調査結果から

今回の調査では、発達障害の当事者の方・発達障害のある子どもを持つ保護者の方へ、発達障害を取り巻く社会の認識に対する実感や、現状の困り感、それに対する周囲からのサポート、また発達の特性を強みに感じることについて尋ねました。法整備も進み、ここ数年で、発達障害に対する社会の認知は高まってきていますが、当事者の目線では社会の理解はまだまだ乏しいことが分かりました。また、発達障害のある方へのサポート・配慮についても、徐々に広がってきていますが、依然として当事者・保護者の大半が日常で困り感を抱えながら生活している状況にあることも明らかになりました。一方で、発達の特性を強みに感じる場面があることも分かり、より一層の発達障害に対する理解の啓発や、支援体制の充実が急務であるとともに、誰もが持っている自身の発達の特性の違いを活かし、活躍することができる社会づくりが必要であることがうかがえます。

LITALICOでは、「LITALICO発達ナビ」を通じて発達障害のある子どもの子育てを支える情報を今後も継続的に発信していきます。またソーシャルスキル&学習教室「LITALICOジュニア」やIT×ものづくり教室「LITALICOワンダー」、就労移行支援事業所「LITALICOワークス」の各サービスの質の向上を通して、一人ひとりの発達の特性を強みとして、活躍できる社会づくりに貢献してまいります。

【参考:回答者属性について】
当事者:
[年代] 10代 6.9%、20代 16.8%、30代 32.7%、40代 27.7%、50代 12.9%、60代以上 3.0%
[診断名] ASD(自閉スペクトラム症:自閉症・アスペルガー症候群・広汎性発達障害など) 52.5%、ADHD(注意欠如多動症) 37.6%、LD(学習障害) 2.0%、その他 7.9%
保護者:
[お子様の年代] 0~2歳 1.4%、3~5歳 18.9%、6~12歳 55.5%、13歳以上 24.2%
[お子様の診断名] ASD(自閉スペクトラム症:自閉症・アスペルガー症候群・広汎性発達障害など) 70.3%、ADHD(注意欠如多動症) 19.3%、LD(学習障害) 4.1%、その他 6.3%

 

LITALICOについて】
LITALICOは、2005年12月設立以来、日本における社会問題としての「障害者雇用」分野に着目し、一法人としては全国最多となる全国59拠点で就労移行支援事業所「LITALICOワークス」を展開しています。企業向けの障害者雇用支援から始まった事業は、現在では障害者向け職業訓練事業、そして障害者の家族向け事業や教育事業など、その領域を広げています。ソーシャルスキル&学習教室「LITALICOジュニア」を首都圏と関西地方に76教室、IT×ものづくり教室「LITALICOワンダー」を首都圏5教室(いずれも2017年3月時点)開校しています。2016年3月に東証マザーズに上場、2017年3月に東証一部に市場変更しました。詳細はhttp://litalico.co.jp/をご覧ください。